研究課題/領域番号 |
01540428
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
梶返 昭二 山口大学, 工学部, 教授 (90035030)
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研究分担者 |
西田 晶子 山口大学, 工学部, 助手 (70144920)
藤崎 静男 山口大学, 工学部, 講師 (60035045)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 4級アンモニウム ポリハライド / ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド / 有機化合物の酸化 / アルコ-ルの酸化 / スルホキシドの合成 / アミドのホフマン分解 / N-ブロモアミドの合成 / メチルケトンのハロホルム反応 |
研究概要 |
毒性があって取扱いの容易でない揮発性の液体臭素を固体化したと考えられるベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(1)(4級アンモニウムポリハライドの一種)を用いて、種々の有機化合物のおだやかな酸化をおこなった。結果をつぎにまとめる。 (1)アルコ-ル類の酸化:一級アルコ-ル、単一エ-テル、αw-ジオ-ル、環状エ-テルなどの四塩化炭素溶液にNa_2HPO_4存在下、化学量論的に試薬1を作用させたところ、それぞれ対応する二量化エステルやラクトン類が好収量で得られた。また二級アルコ-ルからは容易にケトンが得られた。 (2)スルフィドのスルホキシドへの酸化:スルフィドにジクロロメタン中室温で計算量の試薬1のアルカリ水溶液を作用させて、対応するスルホキシドが好収量で得られた。この際スルホンは得られなかった。 (3)アミドのホフマン分解:アミドに計算量の試薬1のアルカリ水溶液を、おだやかな条件下で作用させたところ、対応するアミン類が好収量で得られた。 (4)N-ブロモアミドの合成:上記アミドのホフマン分解の反応中間体であるN-ブロモアミドが、アルカリを化学量論的に用いることにより、好収量で単離することができた。またこの際アルカリの代りに緩衡剤Na_2HPO_4を用いると、さらに容易な条件下で反応を進めることができ、N-ブロモアミドの収率も向上した。 (5)メチルケトン類のハロホルム反応:メチルケトン類に計算量の試薬1のアルカリ水溶液を室温で作用させ、引き続き酸で加水分解をおこなったところ、CHBr_3と共に対応するカルボン酸が好収量で得られた。 以上のように、1は有機化合物のおだやかな酸化剤として、化学量論的に用い得るすぐれた試薬であることが判明した。
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