研究課題/領域番号 |
01540429
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁美 京都大学, 理学部, 教授 (50025342)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ニトロ化 / 反応機構 / イオンラジカル / 求電子反応 / ラジカル反応 |
研究概要 |
芳香族化合物のニトロ化反応は機構論的な立場からの体系化がもっとも進んだ分野の一つと考えられてきたが、実は互いに競争する幾つかの反応過程をもった複雑な反応であることが、近年次第に認識されるようになっている。とくに一電子移動型の酸化過程により発生するカチオンラジカル種やラジカル種の関与する反応の寄与に対して大きな関心が払われるようになっている。本研究では、ニトロニウムイオンの関与するipso-ニトロ化とラジカル種が関与するipso-ニトロ化が競合的に共存するという、最近研究代表者らによって見出された特殊なニトロ化反応を、RC_6H_4CHXY(X'Y=電子求引基)という基本構造をもつ一連の基質について検討し、生成物分布とCHXY基との対応を調べることにより、基質の構造と異常過程との関係の解明を試みた。ジシアノメチル基やジニトロメチル基に代表される電子求引基でgem-置換された置換基をもつアレ-ン類の場合には、反応条件の微妙な変化に対応して、イオン反応に由来する生成物とラジカル反応に由来する生成物とを相補的に与えることが顕著に観察される。例えば4-ジシアノメチルニトロベンゼンを室温のジクロロメタン中で硝酸と反応させると酸化的な二量化が起こって1,2-ビス(4-ニトロフエニル)-1、1、2、2テトラシアノエタンが初期生成物として得られるが、反応系を放置すると4-ニトロベンゾイルシアニドが得られる。この過程はニトロニウムイオンによるニトロ基の0-ニトロ化で生じたキノンイミニウム構造をもつ中間体が、可逆的にラジカル開裂してベンジルラジカルを発生するか、exo-メチレン炭素上を硝酸イオンにより求核打撃されてベンゾイルシアニドに変るかという相補的なイオン/ラジカル二重機構で進行することが確認された。現在、反応の一般性が成立する範囲と、その合成上への応用について検討中である。
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