研究課題/領域番号 |
01540435
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
大久保 正夫 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30039276)
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研究分担者 |
馬場 由成 佐賀大学, 科学技術共同開発センター, 助教授 (20039291)
中島 道夫 佐賀大学, 理工学部, 講師 (90183508)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アリ-ルイミノジマグネシウム / 一電子移動 / ニトロベンゼン / アゾキシベンゼン / 置換基化学シフト / キレ-ト形成 / 溶媒抽出 / ベンジル |
研究概要 |
表題の反応剤は主としてアリ-ルイミノジマグネシウム(ArN(MgBr)_2,IDMg)を示す。芳香族カルボニルおよびニトロ化合物との脱酸素的縮合反応に一電子移動(SET)過程が含まれる事実は、ベンゾフェノンとの反応の電子スピン共鳴(ESR)法によりすでに確立しているが、ベンジルおよびニトロベンゼンについて新たに研究を行う必要が生じ、本学のESR装置の旧型検出器を改修して、検出感度・分解能を向上させた。これにより、ベンジルとの反応過程を追跡して二段階SETが含まれることを確認し、スペクトル・シミュレ-ション(中島による)により中間体ラジカルの構造を決定した。生成物分析・反応熱の比較をあわせて行い、表題反応剤とグリニャ-ル反応剤の反応の統一的理論を確立することができた。ニトロベンゼンとの反応における基質のアニオンラジカルも、重水素標識基質との比較により確認し、統一的理論を支持する事実としてあわせて報告した。キノン類との反応についても、研究を続行中である。 ニトロベンゼンとの反応において生成するアゾベンゼン、アゾキシベンゼンに長鎖アルコキシ、アルキル基を導入する方法が確立され、NNO、ONN両異性体の液晶性における顕著な差異を見出した。o-ヒドロキシ置換アゾキシ、アゾ化合物の合成にも本反応剤が適用できることを明らかにし、そのキレ-ト形成能にもとずく溶媒抽出法によりAg^I、Cu^<II>、Ni^<II>、Co^<II>などの混合物からの分離精製法として活用できること(馬場による)を明らかにした。本法により合成された非対称置換アゾキシベンゼン類の^<17>Oおよび^<15>NのNMR化学シフトが阪大産研との共同研究で決定され、アゾキシ化学の精密化に貢献した。 以上の過程のなかで、本反応剤の反応に対する溶媒効果、添加金属塩の効果など新たな展開への萌芽が見出されつつある。
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