研究課題/領域番号 |
01540466
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 助教授 (60142923)
|
研究分担者 |
大橋 弘三郎 茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 溶媒抽出 / 希土類元素 / クラウンエ-テル / 含ハロゲンカルボン酸 / マスキング / 分離係数 |
研究概要 |
マクロサイクリックポリエ-テル(CR)は、その空孔に適合するサイズの金属イオンと安定な錯体を形成するため、一連の希土類元素(RE)に対しても従来の抽出系とは異なった選択性が期待される。結果を以下に要約する。 1.CRとして18-クラウン-6(18C6)、陰イオン(A^-)として、トリクロロ酢酸イオン(TCA^-)を用いると、従来の抽出系とは全く逆に、REの抽出性が原子番号順に低下し、期待通りの金属イオンに対するサイズ選択性現れた。また、有機溶媒による抽出性の順番は、CHCl_3<CH_2ClCH_2Cl<C_6H_5NO_2<C_2H_5NO_2,CH_2Cl_2となり極性の順番とほぼ一致した。 2.18C6系において、トリブロモ酢酸や2,3-ジブロモプロピオン酸など数種の含ハロゲンカルボン酸を用いてA^-の効果を調べた。REの抽出性はA^-のモル体積の大きい方が高く、一方RE間の選択性はA^-の酸解離定数の大きい方が高いことが明らかとなった。 3.CRとして15-クラウン-5、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6(DC18C6)の比較を行った。DC18C6のみが18C6と同等かそれ以上の高い抽出能を示した。 4.18C6-TCA^-系におけるREの分離を更に高めるために、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の効果を調べた。予想通りRE間の選択性は著しく高くなり、例えば、La/Tbの分離係数は7.1x10^5にも達し、これまでで最高の分離係数が得られた。これは、CRによるREのサイズに基づいた抽出の選択性と、水相中でのREとEDTAとの錯形成よるマスキングの選択性が協同的に働いた結果と考えられる。 5.今後のREの相互分離と実試料への応用のために、新しい抽出クロマトグラフィ-並びにThなどの関連ある二、三の金属イオンの抽出平衡を検討した。
|