研究課題/領域番号 |
01540503
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石黒 慎一 東京工業大学, 総合理工, 助教授 (80111673)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 金属錯体 / 錯形成反応 / カロリメトリ- / 分光光度法 / 非水溶媒 / 熱力学的パラメ-タ / エンタルピ- / エントロピ- |
研究概要 |
本研究では、まず現有のカロリメトリ-システム及び分光滴定システムを測定温度可変のものに改良することを行なった。分光滴定システムの改良は比較的容易に完了し、成果を挙げつつある。一方温度可変カロリメトリ-システムは、報告書の提出段階の今現在、調整中である。25度より高温(45度)・低温(5度)での熱測定において、25度の滴定液が温度の異なる恒温槽中に導入されたとき、その熱膨張・収縮に伴う体積変動がおこる。この変動を吸収する為、電磁弁を用いた滴定システムが新たに考案された。このシステムで高精度の熱測定が可能かどうか検討中であるが、ほぼ期待できる性能を発揮するものと思われる。 測定結果の一例を述べる。ジメチルアセトアミド中でのNi(II)クロロ錯体生成反応はジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド中の同様な反応と比較して熱力学的にも分光化学的にも著しい相違があることが見い出された。様々な温度での個々の生成錯体の電子スペクトルを抽出た結果、錯体の種類によりそのスペクトルの変化は異なる温度依存性を示した。特に[NiCl]^+、[NiCl_2]がいずれも溶液中で配位数をの異なる2種類の配位構造を有し、それらの間に平衡があり、温度上昇とともに、この平衡がシフトすると結論された。この結果はカロリメトリ-により決定された25度における熱力学的パラメ-タからの結論と一致した。さらにジメチルアセトアミド中のMn(II)クロロ錯体の錯形成反応の結果はNi(II)系と非常によく似ていて、ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド中とは様子が違う。溶液内金属イオンの溶媒和構造に本質的な相違があるものと考えられた。
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