研究課題/領域番号 |
01540541
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤井 宏一 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00114124)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マメゾウムシ / 種内競争 / 種間競争 / 共倒れ型 / 勝ち抜き型 / 個体群動態 |
研究概要 |
1.勝ち抜き型競争を示すアカイロマメゾウムシ(Callosobruchus analis)と共倒れ型競争を示すハイイロマメゾウムシ(C.phaseoli)との幼虫間競争の行動を解析した。アカイロマメゾウムシでは3・4齢幼虫が他の幼虫に対し激しい攻撃行動を示した。ハイイロマメゾウムシにはこのような性質は見られたかった。 2.アカイロマメゾウムシとハイイロマメゾウムシを用い、緑豆(Vigna radiata)を資源とした累代飼育系で種間競争実験を行なった。サイズの大きい緑豆では200日前後でアカイロマメゾウムシが絶減し、小さい緑豆では200日前後で逆にハイイロマメゾウムシが絶減した。両サイズの緑豆を等量供給した系では460日以上にわたって両種が共存した。これらの結果は1.の解析結果からうまく説明することができた。 3.ヨツモンマメゾウムシ(C.maculatus)で、勝ち抜き型競争を示す1系統と共倒れ型競争を示す1系統を用いて、勝ち抜き型競争の遺伝的機構を詳細に調べたところ、相加的遺伝子であることが明らかになった。 4.3.の2系統の幼虫期の行動を観察した。勝ち抜き型系統は幼虫の全期間で、共倒れ型系統でも幼虫後期においては攻撃行動を示した。これらの結果は、1.での幼虫期攻撃様式とは大きく異なるものであった。 5.ヨツモンマメゾウムシの2系統を用して、2.と同様の実験を行なったところ、個体数動態を指標にすると大きい緑豆では共倒れ型系統が、小さい緑豆では勝ち抜き型系統が大勢を占めた。また両サイズの緑豆を等量供給した系では両系統が共存していることを示す動態が見られた。しかし、それぞれの個体群の遺伝的構成を調べたところ、大きい緑豆の系では共倒れ型に収れんしていたが、その他の豆条件下では勝ち抜き型と共抜れ型のF-_<1->と同等の割合で勝ち抜き型の遺伝子が存在した。
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