研究課題/領域番号 |
01540600
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高橋 進 山口大学, 教養部, 教授 (90022665)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カイコビテロジエニン / 環状GMP / cGMP-依存性プロテインキナ-ゼ |
研究概要 |
カイコビテロジエニン(Vg)は、雌蛹の脂肪体において合成され、血液を通り卵巣に蓄積する蛋白である。卵巣成熟、胚発生におけるこの蛋白の重要性から多くの関心を集めて来たが、最近、泉、富野らにより遺伝子のクロ-ニング及び塩基配列が決定された。 この蛋白は、昆虫の変態ホルモンであるエクジソンで誘導されることがわかっている他は、詳細は不明である。筆者らは、エクジソンによるVg生合成の分子レベルにおける調節機構を明らかにする目的で本実験を行った。遊離腹部、脂肪体の培養系を用い、Vgに対する抗体、エクジソン、放射性アミノ酸をくみあわせて解析を行った。結果を概括すると、培養系においてエクジソンを投与しても、Vgの生合成を活性化しないが培地にcGMPを加えると、顕著な生合成の増加がみられた。この合成は阻害剤を用いた実験から転写レベルであると考えられた。遊離腹部、正常の雌蛹を用いた実験において、エクジソンの投与により、顕著なcGMPの増加と、脂肪体内の顆粒分画に存在するG-キナ-ゼの生体内基質蛋白のリン酸化、およびVnの生合成がひきおこされた。 以上の結果より、エクジソンは、なんらかの過程を経て、脂肪体中のGuanylate cyclaseを活性化し、G-キナ-ゼの活性化、基質蛋白のリン酸化をひきおこし、Vgの生合成を活性化しているものとおもわれる。その際、G-キナ-ゼの作用点は、転写レベルにあると考えられる。生体内基質蛋白の機能、およびエクジソンの脂肪体に存在するGuanylate cyclaseの活性化機構について、現在解析をすゝめている。また、培養系において、エクジソンの効果がみられないことは、血液中にさらに他の要因が存在することも考えられ、合わせて解析中である。
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