研究課題/領域番号 |
01540604
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
泉 進 東京都立大学, 理学部, 助手 (10145659)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 昆虫 / カイコ(Bombyx mori) / 脂肪体 / 体液タンパク質 / 遺伝子DNA / 遺伝子発現 / 培養細胞 |
研究概要 |
昆虫の体液タンパク質は脂肪体という組織において幼虫期に合成されている。カイコの体液タンパク質のうち貯蔵タンパク質SP1、SP2および主要体液タンパク質の遺伝子はすでにクロ-ニングが完了しており、それらの構造および発現様式がかなり明らかになりつつある。本研究では、これらの遺伝子を脂肪体細胞に再導入し、in vitroでの遺伝子発現の調節機構を解明する実験系の開発に主眼を置いてきた。この実験系を確立する上で最も重要な問題は、脂肪体細胞のプライマリ-カルチャ-の条件を決定することである。5齢幼虫2日目の個体より脂肪体を摘出した生理食塩水で洗浄後、トリプシンで消化し脂肪体細胞を単離した。その後培養液Tc10で単離脂肪体細胞の培養を試みた。その結果、トリプシン5mg/mlで30分消化後、出来るだけ機械的ショックを少なくして細胞を単離することが重要であると判明した。現在この条件で単離した脂肪体細胞は単離後24時間で約70%の生存率で示し、単離時のタンパク質合成能を失うことなく約2週間培養を続けることが可能となった。この脂肪体のプライマリ-カルチャ-細胞はシャ-レ表面に強固にはりつき、細胞をシャ-レからはがす際、機械的処理を行うと生存率がかなり低下する。またトリプシン処理を行い細胞を遊離させても生存率の低下が見られた。このような細胞を用いて赤血球ゴ-ストと細胞融合を行ったが、ほとんどの細胞が死滅してしまうことが判明した。そこで当初の予定を変更し、DEAE-デキストラン法およびリポソ-ム法を用いた形質転換実験を行った。現在、これらの方法の実験条件の検討を行っているが、形質転換の際の培養液の組成が外来DNAの細胞への取込みに大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。この条件が決定ししだい、体液タンパク質遺伝子のトランジェントな発現を解析する予定である。
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