研究課題/領域番号 |
01540608
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
水野 丈夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (50011490)
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研究分担者 |
斉藤 美和子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10112765)
種村 茂二 帝京大学, 薬学部, 講師 (40112768)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 前立腺 / 誘導因子 / アンドロゲン / 間充織 / 前立腺特異ステロイド結合タンパク / 形態形成 / 細胞分化 / 細胞増殖 |
研究概要 |
われわれはこれまで前立腺がアンドロゲンにより活性化された尿生殖洞間充織によって誘導されることを明らかにしてきた。このさい尿生殖洞上皮の細胞増殖は著しく高まる。本年度は第1に尿生殖洞以外の間充織によって前立腺を誘導すべく試みた。まず、尿生殖洞上皮の増殖活性を高める間充織としては尿生殖洞間充織が一位であり、次に胃間充織が有効であることがわかった。そこで尿生殖洞内胚葉/胃底部間充織の再結合片をアンドロゲン存在下に培養したところ、分枝をともなう腺構造をつくった。しかし、この腺は腹前立腺抗原陰性であり、前立腺特異ステロイド結合タンパクC1のmRNA陰性で、形態も前立腺ではなく胃腺に近かった。しかし、この胃腺様構造はペプシノゲン陰性であった。すなわち胃間充織によって尿生殖洞上皮は胃腺に向けて形態形成をおこすが、細胞分化の発現はおこらないことがわかった。 第2に,アンドロゲンにより活性化された尿生殖洞間充織中の前立腺誘導因子の探索を試みた。胎児で前立腺が誘導される場合、アンドロゲンは間充滴のみに取り込まれ、かつ間充織から上皮に働く因子はアンドロゲンまたはその誘導体ではない。そこでアンドロゲン未処理および処理尿生殖洞間充織中のポリペプチドをHPLC法によりフラクションに分け、各フラクションをSDS-PAGE法により分析したところ、48時間DHT処理群の尿生殖洞間充織中に特異的に出現するポリペプチドが存在することがわかった。まもなくこのフラクション中に上皮細胞増殖促進作用、前立腺形成作用、前立腺細胞への決定作用があるかなどについて検討する予定である。
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