研究課題/領域番号 |
01540620
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
竹井 祥郎 北里大学, 医学部, 講師 (10129249)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 脳ナトリウム利尿ペプチド / 系統発生学 / 魚類 / 分子進化 / 降圧作用 / ラジオイムノアッセイ |
研究概要 |
1.ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の抗体を用いてウナギ心臓を免疫組織化学的に調べたところ、交叉性を示す心筋細胞が多数みられた。免疫電顕で調べたところ、この免疫交叉物質は分泌顆粒中に含まれていた。ヒトANPのラジオイムノアッセイ(RIA)を用いてウナギ血漿中ANP量を測定したところ、ヒトより大量の免疫活性物質があった。ゲルロ過により、ウナギ血漿中には大量の高分子型(14KD)と少量の低分子型(約4KD)のANPが存在することがわかった。また、RIAと生物検定との測定値の違いから、ヒトANP抗体はウナギANPと交叉性が極めて低いことがわかった。従って、ウナギANPに固有のRIA系を確立する必要に迫られた。 2.その第一歩として、1700個のウナギ心房よりANPを単離し、構造を決定した。ウナギANPは27個のアミノ酸より成り、ヒトやラットANPと59%、ニワトリANPと52%、カエルANPと46%の相同性を示した。ヒトANP抗体との交叉性は0.4%であった。 3.ウナギANPの降圧活性は、ウナギでヒトANPの100倍、ラットでは1/10であった。 4.ウナギANPの抗体を作成し、RIA系を確立した。この系で測定すると、ウナギ心房のANP含量はヒトの系での測定値の600倍であったが、脳の含量は30倍であった。従って、脳には脳ナトリウムペプチド(BNP)が存在する可能性が示唆された。 5.そこで、ウナギ脳2000個よりBNPを単離し、その構造を決定した。ウナギBNPは22個のアミノ酸より成り、ヒトBNPと65%、ブタBNPと70%、ラットBNPと57%の相同性を示した。 6.現在、合成ウナギANP、およびそれに固有のRIAを用いて、ANPの生理作用や分泌機構を調べている。
|