研究課題/領域番号 |
01540625
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 良 東京大学, 理学部, 助教授 (40011762)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 深海成炭酸塩岩 / 酸素同位体組成 / チュ-ブワ-ム / 化学合成バクテリア / 冷水湧出 / 酸素・炭素同位体組成 / チュ-ブウォ-ム / 冷水湧水 / 熱水噴出 |
研究概要 |
1.前年度に現地調査をして採取した標本を詳細に検討した結果、チュ-ブワ-ムを含む化学合成生物群集から成る炭酸塩マウンドは、ニュ-ファウンドランド島だけでなく、ニュ-ブランズウィク州にも広く分布している事がわかった。この結果、石炭紀の葉理石灰岩が堆積した堆積盆では、広い範囲でメタンや硫化水素の湧出があった事が確かになった。 2.チュ-ブワ-ム・マウンドを構成するカルサイトについて炭素・酸素同位体組成の分析を行った。コケ虫、腕足類などの殻を構成するカルサイトは、δ^<13>C=+1.1〜-1.4%。(POB)、δ^<18>O=-3.6〜-6.6%。(PDB)なのに対し、空隙をうめて成長したカルサイトは、δ^<13>C=+2.3〜-1.9%。、δ^<18>O=-8.6〜-10.7%。である。空隙をうめるカルサイトが特に^<18>Oに乏しいのは、化石殻の再結晶より、空隙の充填の方が高い温度でおきたことを示す。 3.カルサイトと共に空隙をうめて成長する硫化物(主にパイライト)の硫黄同位体組成は、δ^<34>S=0.75〜6.37%。(CDT)であるのに対し、マウンド中に発達する径数メ-トルの塊状硫化物は、δ^<34>S=28.3%。である。この事は、塊状硫化物が、空隙充填パイライトよりも進化した"海水"から、より高温で沈澱した事を示す。 4.組織観察と同位体組成、化学組成の分析から、チュ-ブワ-ムマウンドは、(1)メタン、硫化水素を多量に含んだ比較的低温の、淡水交じりの海水の湧出によるマイクロバイアル過程→(2)埋没による温度の上昇と淡水混合比の増加に伴うカルサイトセメントの発達→(3)深部からの高温塩水の浸入による塊状硫化物の生成、というプロセスで生成したと考えられる。
|