研究課題/領域番号 |
01540627
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
狩野 謙一 静岡大学, 理学部, 助教授 (30090517)
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研究分担者 |
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 助手 (30126164)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 西南日本 / メガキンク / 屈曲 / 構造地質学 / テクトニクス |
研究概要 |
1.西南日本東部の中で最も屈曲構造が顕著な福井・滋賀・岐阜県境付近の「根尾の対曲」地域の構造解析を行った結果、この地域の中生層中には鉛直の回転軸と南北方向の軸面をもつ半波長数kmのメガキンク状屈曲構造が発達することが明らかになった。この構造による東西方向の短縮量は、それより東側の中生層の西南日本主部に対する反時計まわり回転を起こさせるに十分な量である。 2.赤石山地四万十世帯の内部構造から、この山地の基盤岩類の屈曲は南北方向の高角左横ずれ断層を伴った単斜メガキング状の形態をもち、山地北部では強い圧縮に伴って水平な回転軸をもつ成分も加わっていることが明確になった。また、地層中のメランジュ組織は回転量を見積もる指標となること、赤石裂線と光明断層で従来考えられてきた横ずれ断層運動後の正断層運動の存在を考慮する必要がないことが明らかになった。 3.中央構造線の運動を直接反映したものとされたマイロナイトの微小組織は、現在の中央構造線に伴うものではなく、屈曲構造形成以前の水平剪断運動に伴うものであることが明確になった。屈曲と関連した運動を解明するには、マイロナイト組織に重複した新期のカタクラスティックな変形構造を解析することが重要である。 5.屈曲構造に参加する地層と屈曲に伴う短縮・回転量、屈曲構造を覆う地層、古地磁気デ-タ等を総合的に判断すると、西南日本東部の屈曲構造は、鉛直軸をもつメガキンク状の回転運動の結果、内・外帯ともに中期中新世頃に形成されたものであることが明らかになった。 6.現在、内・外帯および中央構造線で得られた岩石試料を処理中であり、その結果をふまえて、屈曲構造形成当時の変形条件を解析していく予定である。
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