研究概要 |
本研究はナウマン象臼歯の絶対年代値を電子スピン共鳴を用いて決定しようとするものである。臼歯のエナメル質中の炭酸ラジカルの量を推定することにより臼歯が永年受けてきた天然蓄積線量CGy)を決定した。又試料を化学分析し,ウラン,トリウム及びカリウムを定量し,内部年間線量率を推定した。又長野県野尻湖の湖底土壌を採取しガンマ-線スペクトルを測定することにより土壌中放射性同位元素の量を推定した。これらの値を用いて天然年間線量を算出し,ナウマン象臼歯の年代値を求めた。臼歯を採取した地層の年代が地質学的に分っているのでそれらとの比較及び ^<14>C法による年代値の比較等を表にして,示してある。本手法は独立した絶対年代測定法として ^<14>C法の適用できない考古学的化石に適用できると確信している。 ナウマン象臼歯のESR年代値 試料番号:地層名,地層年代(年),ESR年代(年), ^<14>C法年代(年) 1: 下部3B_2,〜25000,25700,〜45100 2: 下部3B_2,〜25000,29600,ー 3: 下部3B_1,〜26500,27300,ー 4: 下部3B_1,〜26500,36800,〜42480 5: 最下部 ,〜37000,38600,〜44430
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