研究課題/領域番号 |
01550082
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北條 英典 東北大学, 工学部, 教授 (80124618)
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研究分担者 |
玉川 規一 東北大学, 工学部, 助手 (50179876)
矢口 仁 東北大学, 工学部, 助手 (90125675)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | プラスチック複合材料 / 繊維含有率 / 繊維配向 / スタンパブルシ-ト / 配向角分布 / 異方性 / 表面性状 / 圧縮成形 |
研究概要 |
長繊維強化高分子複合材料(以下長繊維FRTPと略称)の精密プレス成形においては、成形品の表面性状および強度の変動とその異方性が問題となっている。この問題は成形にともなって惹起される強化材繊維の分離、配向及び冷却固化過程における構成材料間の収縮差に依存しているとの観点から、試作材料及び市販のXシ-トについて、基本的な成形法である矩形板の平面歪圧縮の場合について実験的に検討し、以下の結果を得た。 1.成形品に表面性状に及ぼす成形条件の影響 成形品の表面不良は、盛上り、うねり、ボイド、クラックおよび微小な溝が主なものである。盛上り・うねりは繊維やストランドとマトリックスの収縮差に、微小な溝は表面層に形成されるウェルドラインによることが顕微鏡観察により明らかとなった。あらさとねりを表面あらさ計で計測した。いずれも保圧荷重が高く離型温度が低いほど小さくなる。さらに表面性状改善のため、表面にマトリックスと同質材のPP薄膜をおいて成形すると、あらさは膜厚0.5mm以下で極めて小さくなり、また、うねりも膜厚増大と共に小さくなって、表面性状の改善にはこの被膜法が有効なことがわかった。 2.繊維含有率分布・繊維配向角分布と引張強さ 繊維配向角分布を表す確率密度関数f(θ,J)は、配向角θとパラメ-タJの関数であり、これまで報告者はその表示式を明らかにしてきた。圧縮成形に伴う繊維含有率の変化と繊維配向とによって、成形品の強さは変化すると共に異方性をもつ。Jと繊維含有率Q_fとを与えてθ方向における引張つよさO_θを求める実験式を導いた。 以上により材料、成形条件と成形品特性の相互関係をかなり統一的に扱うことが出来るようになったと考える。
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