研究概要 |
本研究成果の主な概要は以下の通りです。 (1)小さい管端面に圧縮空気を吹き付けると管内の空気柱が共振し音響を発生する.管の他端面の物体が変位したり,管内空気柱長さが変化すると音響の周波数が変化する.この現象を利用し変位や加工面あらさを測定する新しい方法を開発した. (2)圧縮空気を用いる吹鳴式方法について,管内音響発生の理論解析を行って計算によって発音周波数を算定することができた. (3)圧縮空気の代りに管端面にスピ-カを設けて管内空気柱を共振させる方法について,電気的フィ-ドバックル-プを応用し,PLL(位相同期ル-プ)装置を作成して実験し,変位を測定できることを明らかにした.さらにこの測定方法を実用化するための多くのデ-タを採ることもできた.これは今後,有効に活用できると思う. (4)スピ-カを用いる方法について理論的な裏付けを行うために,両端開口管と両端閉口管について,管内の音響に関する等価回路とインピ-ダンスを導き,共振周波数を理論的に導いた. (5)吹鳴式方法は圧縮空気を必要とする欠点をもつが,共鳴周波数において大きなピ-ク値が表われ測定が容易となる.スピ-カを用いる電気的方法は圧縮空気は必要とせず,小さい乾電池で作動でき,装置も簡単である特徴を有している.いずれも1μmの測定精度は十分に可能であることがわかった. (6)測定面のあらさ測定については被測定物に近い管端面形状を種々変化させて実験した結果,あらさ変化と周波数の変化が対応することを確かめることができた.これについては今後ともさらに研究を続けて行く必要がある.
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