研究概要 |
縦型軽ガス銃を利用して液体の超高速流れ現象に関する実験的研究を行った。はじめに,火薬質量と飛しよう体速度との関係を把握するため飛しよう体速度計則システムを完成し,約2gのプラスチック制飛しょう体の場合で数百〜2km/sの速度範囲で利用できることを確認した。これに基づき,飛しょう体を自由表面へ突入させ,その後の自由表面や液中を移動とする飛しょウ体の様相を高速度カメラで観察した。その結果,飛しょう体突入後の自由表面の変形,表面開鎖,スプラッシユなどの一連の現象が光学的に明らかとなり,さらに液中を進行する物体背後に形成される空同の挙動,特にくびれから分離に至り,分離した界面から物体方向に向けて形成されるリエントリィジェットの様相など興味深い緒現象が観察された。この実験は水とグリセリンについて行われ,液体粘度の影響が評価された。また空洞まわりに発生するキャビテ-ション気泡群の挙動は隣接気泡や自由界面の影響を強く授けながら固有の運動を行っていることが明らかとなった。これらのキャビテ-シヨン気泡の挙動に関連する基本研究として,自由表面近傍でのレ-ザ-生成気泡の挙動に関する実験研究が綿密に行われた。中でも複数気泡の基礎となる,2個の気泡の相互作用に関し,同位相並びに位相差のある気泡の振る舞いが詳細に究明された。一方,超高速液体流れの応用としてパルスウォ-タ-ジェットに関する実験研究を行った。重量1.15gのサボの上部溝にトラップされた約70mgの蒸留水がサボストッパ-で分離して,水塊のみが慣性力によってストッパ-細隙を通り,真空中に設置されたタ-ゲットに最高速度1.5Km/sで衝突した。微小水塊はその追行中に多数の微小滴に分裂し,個々の液滴の高速衝突に起因するミクロエロ-ションのメカニズムが明らかにされた。
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