研究課題/領域番号 |
01550139
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
白樫 正高 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60115110)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 非定常流れ / 流体振動 / 十字交差円柱 / カルマン渦 / 縦渦 / 渦励振 / 可視化実験 / 異常振動 |
研究概要 |
柱状物体の流れによる振動は、橋梁・煙突のような構造物の風による振動や、種々の装置における伝熱管の振動等に関連して極めて重要であるため、励振力の発生機構および物体の形状や近接する物体の影響等に関する多くの研究がなされている。本研究においては先ず、これまでに筆者等が指摘した、一様流に直角に弾性支持された円柱の振動に対する、その下流に90度ねじれの位置に配置された円柱の効果を確認した。その結果、(1)下流円柱のカルマン渦励振抑制効果の範囲及びその発生機構の概要を示し、(2)下流円柱により誘起される異常振動の発生条件及び大きさを明らかにした。次に、2円柱がともに固定されている系について速度及び圧力変動の測定を流れの可視化実験と並行して行い、2円柱の交差部付近から主流に平行な軸を持つ渦が周期的に流出する事を確認した。さらに、上流円柱が弾性支持されている系についての実験結果との比較により、この系の固有振動数と縦渦の流出周波数が一致するとき、上流円柱の異常振動が発生する事、および、縦渦に起因する上流円柱の圧力変動がもたらす変動揚力が振動系の振幅から得られる変動揚力と概略一致する事を確認した。これらの結果から、下流に配置された円柱により誘起される上流円柱の異常振動が、2円柱の交差部付近から周期的に流出する縦渦(主流に平行な軸を持つ渦)による渦励振である事を明らかにした。さらに、両円柱の直径が等しい場合の縦渦の挙動に関して以下の知見を得た。 (1)縦渦は2円柱の間隙Sが円柱直径dの1/2以下のとき流出する。 (2)縦渦の流出周波数は主流流速にほぼ比例し、間隙Sにより変化する。 (3)縦渦の流出周波数をdと流速で無次元化したストロ-ハル数は、円柱直径によらず、無次元間隙S/dのみの関数となる。
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