研究課題/領域番号 |
01550185
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 剛良 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20193592)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 水 / クラスタ- / 凝縮 / 回転エネルギ- / 回転温度 / 分子線 / マイクロ波 |
研究概要 |
水分子にマイクロ波(周波数22.235GHz)を照射することにより水分子の回転エネルギ-を励起した凝縮実験を行った。実験装置としては現有の超音速分子線装置を用い、水および水+アルゴン、水+窒素混合蒸気を先細ノズルから真空中に噴出させ、この自由噴流中で形成される水分子クラスタ-の生成量を四重極質量分析計で測定した。(1)ノズルから噴出した自由噴流中の水分子のみにマイクロ波照射、(2)自由噴流中およびノズル内の水分子にもマイクロ波照射することにより、その効果を調べた。また、照射するマイクロ波の密度を大きくするため、内径10mmの円形導波管内にガラス製ノズルを挿入し、同様に水分子クラスタ-の生成量を測定した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.水+アルゴン混合系の方が水+窒素混合系よりも水分子クラスタ-生成量が大きく、水蒸気の組成比が小さいほどその差は大きい。また、クラスタ-が大きいほど生成量の差は大きくなる。 2.マイクロ波照射による回転エネルギ-励起が水分子クラスタ-生成量に及ぼす顕著な影響は確認できなかった。 3.円形導波管を用いてマイクロ波密度を増大させた場合においても、回転エネルギ-励起が水分子クラスタ-生成量に及ぼす顕著な影響は確認できなかった。 この理由として、次のことが考えられる 1.周波数22.235GHzのマイクロ波のエネルギ-は温度に換算すると数K程度である、マイクロ波照射が水分子に与えるエネルギ-量は小さいため、クラスタ-の生成に顕著な影響を及ぼすまでには至らない。 2.常温においても水分子は広範な回転エネルギ-レベルに分布しており、水分子の回転エネルギ-をJ=5→6に励起しても全体としてのエネルギ-分布に大きな影響を与えることができず、その結果、クラスタ-の生成に顕著な影響を与えるまでには至らない。
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