研究課題/領域番号 |
01550210
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械力学・制御工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
下郷 太郎 慶應義塾大学, 理工学部・機械工学科, 教授 (30051147)
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研究分担者 |
吉田 和夫 慶應義塾大学, 理工学部・機械工学科, 助教授 (80101997)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 磁気浮上 / 最適制御 / 板の振動 / ディジタル制御 / 走行ベルト |
研究概要 |
薄板の連続熱処理、メッキ装置において、高速で送られる長尺の薄板の表面の品質を維持するため、磁気浮上等による非接触支持機構の開発が望まれている。そこで本研究では電磁石を用いて走行鋼板ベルトを浮上させるためのディジタル制御系の開発を行った。ベルトの横振動を有限個のセンサとアクチュエ-タを用いて制御するため、ベルト高次振動モ-ドのスピルオ-バを考慮した最適制御理論を適用した。この制御方式の実現性を模型実験によって確認し、ベルトの送り速度の変化が制御性能に及ぼす影響などを考察した。 本研究では、ル-プ状にした鋼板ベルト(長さ約6.0m、幅0.15m)の駆動機構を製作して、ベルトの水平走行区間(制御対象範囲1.5m)に電磁石と変位検出器をそれぞれ4個配置し、磁気浮上制御実験を行った。ベルトは、SK3鋼板(厚さ0.3mm)とSUS430鋼板(厚さ0.4mm)の2種類を用いた。その結果、SK3鋼板、SUS430鋼板とも浮上走行(秒速2.5mまで)に成功した。本実験では鋼板表面の凹凸による外乱のため、走行速度の増加に伴い高次モ-ドを考慮した制御の効果は少なくなったが、高次モ-ドまで考慮した制御手法を適用した方がより良好な制御性能を得られることが分かった。 以上より、走行弾性板の磁気浮上制御においては有限個のセンサとアクチュエ-タを用いて横振動を制御するため、高次モ-ドのスピルオ-バによる不安定現象が発生し易かったが、制御構造制約を考慮した準最適制御理論を適用して制御系を設計することによって、安定な制御性能を得ることができた。今後の研究の展開としては、さらに走行速度を高め、臨界速度を越えるような範囲における浮上制御を行う予定である。また、本研究ではロ-ラによってベルトに送りをかけたが、リニアモ-タを用いて非接触駆動することも計画している。
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