研究概要 |
太陽電池の出力を超電導コイルに貯蔵し,さらに交流電力系統に放出,あるいは超電導コイルに交流系統から電力を貯蔵する実験を行うため,超電導コイルの一端を降圧チョッパを介して太陽電池と,他端を交直変換器を介して交流系統と接続した太陽電池出力160W,超電導コイル電力貯蔵容量約20kJのスシテムを試作した。制御方式に関しては,太陽電池が最大出力点で動作するようにチョッパの通流率を,日射強度,超電導コイル電流を入力として制御し,交直変換器については,交流電力を設定値に等しくなるように,サイリスタブリッジの制御角をフィ-ドバック制御した。これらの制御はすべてパソコンを用いて行った。日射強度ならびに交流電力設定値の各種の値について実験を行った結果,太陽電池と交流電力系統との間で設定した電力の入出力が行えることが確認できた。 さらに本研究では,太陽光発電と風力発電などのハイブリッド自然エネルギ-発電システムへの超電導力貯蔵の適用の可能性を調べるため,電源およびチョッパの複数化についても検討した。複数のチョッパの接続方式として信頼性の高い並列接続方式を選び,2台のチョッパの一方に太陽電池を,他方に風力発電を模擬した定電圧源を接続して実験を行った。その結果,2台のチョッパが同時にオンにならないようチョッパの周波数を同一にし,オンするタイミングをずらすことによって,複数の自然エネルギ-発電システムから一つの超電導コイルへの電力の貯蔵が可能であることがあきらかとなった。
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