研究課題/領域番号 |
01550214
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 勝 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40107397)
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研究分担者 |
北條 準一 (北絛 準一) 東京大学生産技術研究所, 助手 (70013175)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 人工衛星 / 帯電 / 電子線 / 高真空 / 質量分析 / 分光分析 / 質量分折 / 分光分折 |
研究概要 |
静止衛星などの高軌道衛星に生じる障害の原因の中で、大きな割合を占めると考えられている帯電放電現象についての実験的な研究を行った。 1.地上での再現実験と、高高度宇宙空間の雰囲気の差異は、温度、ならびに真空度が最も大きいと考えられる。宇宙空間における温度の低下によって、最も影響を受けるのは、材料の導電度に代表されるバルクの電気的特性であろう。これは材料の帯電解析への影響が大きいが、放電現象への影響は少ないと見られる。 2.真空度については、実験室で実現できる真空度は、高真空といえども宇宙空間とはまだかなり隔たりがある。これは本研究の結果、放電開始条件に残留ガス分子がかなり関与していることが明らかになり、地上での再現実験の大きな問題点として浮かび上がってきた。放電開始条件、発光スペクトルの双方に見られたコンデショニング効果より、高真空下で残留ガス分子がほとんど排除された状態では、放電はかなり生じ難くなると予想される。また実際の衛星の構造では不可避的に生じる絶縁物と導体の接合部では、間隙を無くし、界面を滑らかにすることで、放電開始電圧はかなり上昇することがわかった。 3.これら放電を生じにくくする諸条件が判明したにも拘らず、現実に高軌道衛星において放電が観測されていることは、高分子材料内部からのガス放出などか関与していることを強く示唆する。この意味で、放電開始条件に関する、本研究のような地上での再現実験には十分意義があることが明らかとなった。 4.残留ガス分子は同時に、高分子材料の種類によっては、沿面放電による材料の劣化にかなり影響することが、ガス分子の質量分析の結果明らかとなった。これはスペ-スチェンバによる材料の劣化の試験において、考慮すベき点である。
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