研究課題/領域番号 |
01550215
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90134642)
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研究分担者 |
生駒 俊明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013118)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | マイクロメカトロニクス / マイクロマシ-ニング / マイクロアクチュエ-タ / ポンプ / カンチレバ- |
研究概要 |
まず人工せん毛を駆動するアクチュエ-タについて、静電形、形状記憶合金形、バイメタル形を比較した。静電形は駆動に強い電界を利用するため、導電性の液体はもとより、絶縁性の液体でも絶縁破壊を生ずるので実用的でないことが分かった。形状記憶合金については、IC技術によって薄膜状に形成することが問題となる。IC技術で広く使われる製膜法のスパッタ法を用いて、薄膜のTiNi合金を作り、その組成・結晶構造・抵抗率の温度変化等を計測した。この結果、タ-ゲットとして適当なTiとNiの比を選べば、形状記憶効果が現われる温度を室温よりやや高い程度の温度に定められることがわかった。また、製膜後の熱処理により、アモルファス状態から、望ましい相へと結晶化させられることも明らかになった。現在、形状記憶効果によるアクチュエ-タ動作を確認している段階である。バイメタル形は、二つの異った熱膨張率を持つ薄膜を重ね合わせて作り、温度を上昇した時の熱膨張の差でたわみを得るものである。二つの材料として、高分子材料の一種のポリイミドと、金属(NiもしくはCr)を考えた。ポリイミドは熱膨張率が金属の十倍程度と大きく、また絶縁性なので金属膜そのものをパタ-ニングして、ヒ-タを兼用できる長所がある。しかしヤング率が金属に比べて小さいため、厚みの比について最適化する必要がある。理論式に基づいて最適値を求めると、ポリイミドとNiの厚みの比を4:1にすれば良いことが分かった。製作プロセスを種々検討し、長さ500μm、幅180μm、厚み2μmのポリイミドとNiからなる片持ち梁を作った。温度の上昇につれ、片持ち梁が上にそり返ることを確認した。この片持ち梁は、フォトリングラフィ-により多数個を基板上に同時に形成できる。これをせん毛のように協調動作させるための極めて簡単な制御回路を考案した。現在、ポンプとして使えるような動作をさせる実験を行っている。
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