研究課題/領域番号 |
01550216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片岡 昭雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016310)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 誘導電動機 / パラメ-タ同定 / カルマンフィルタ |
研究概要 |
誘導電動機の制御やシミュレ-ション、特性算定など、この電動機の正確なパラメ-タが必要になる場合は多い。本研究はノイズを含む系の情報から系のパラメ-タを同定できるカルマンフィルタを誘導機に適用し、そのパラメ-タを精度よく同定しようとするもので、研究の実施事項と成果を要約すれば次のようになる。 1.出力1.5kW〜3.7kWまでの4種の誘導電動機を供試機として、インバ-タ・誘導機駆動系を設計、試作した。 2.同定すべきパラメ-タを最高4種(一次抵抗、もれインダクタンス、励磁インダクタンス、二次時定数)までとしてカルマンフィルタを構成し、1で試作した駆動系からサンプリングにより収集した誘導機一次電圧、電流をそれぞれカルマンフィルタの入力量、測定量として、まずノイズなどの共分散の設定法について詳細な検討を行なった。その結果、この設定法として、(1)電圧又は電流の隣合う3時点の測定値の平均値をその中央の時点での真値とみなし、これとその時点の測定値との差をノイズとして共分分散値を求める方法。(2)インバ-タ出力をその指令値(正弦波)にノイズが重ね合わされたものとみなして共分散を求める方法、の二法を見出した。 3.2の結果に基づき、誘導機パラメ-タを種々な条件下で同定し、通常の方法で求めたパラメ-タ値との比較により同定値の妥当性を確認した。また周波数、負荷のの大幅な変化時や、巻線の温度変化、磁束レベルの変化時に対してもこれらの変化を反映したパラメ-タ同定が行えることを確認した。 4.パラメ-タ同定時間は0.1〜0.4秒程度と短く、電流、磁束など状態量もより短時間で推定できる。 以上により誘導機パラメ-タ同定へのカルマンフィルタの有効性が確認できたと考える。なお本研究では上記2の検討に多くの時間を要したため、パラメ-タの実時間同定には至らなかった。この点はさらに検討を続けたい。
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