研究概要 |
本研究は,音声,デ-タ,画像(ファクシミリ,テレビ)など帯域や速度の異なる多元情報を統合するISDN(サ-ビス総合デジタル網)用のATM(非同期転送モ-ド)やLAN(ロ-カルエリア網)において,情報種別毎の呼種別サ-ビス品質を評価する手法および,所与のサ-ビス条件下でのシステムコストを最小化(処理能力最大化)する最適設計法を与えることを目的とし,次のような成果を得た. 1.即時・待時混合システムの性能評価 (1)混合システムの溢れ呼解析 溢れ呼の積率の計算式を与え,即時呼と待時呼を含む迂回中継システムの最適設計法を提案した. (2)ATMの最適制御法 呼受付制御に部分割り込み優先権(PPP)方式,輻そう制御に選択的廃棄制御(SPD)方式を提案し,性能解析法を開発した. 2.多元トラヒックシステムの性能解析 (1)回線留保システムの最適設計 回線留保方式を適用した迂回中継システムにおいて,均一サ-ビス条件のもとでシステムコストを最小化する最適設計法を提案した. (2)バ-スト性多元トラヒックの性能評価 一般トラヒックシステムについて解析し,複数のバ-スト性入力を統合するモデルについて呼種別性能評価法を開発した. 3.LANおよび通信網の学習制御 (1)バス形LANにおいて,ノ-ド毎のトラヒック条件が等しい均一モデルと,条件が異なる不均一モデルに対して性能評価法を与えた. (2)通信網の制御にポテンシャル関数を用いた学習制御法を考案し,目的値フィルタ-を導入して制御精度を向上する方法を提案した。
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