| 研究概要 |
マイクロストリップアンテナ(以後,MSA)を移動通信用の超小形・超薄形アンテナとして応用する際重要となる設計上の問題点について,理論・実験両面より総合的に検討を加え,併せてこの種の平面アンテナの諸特性(放射パタ-ン,入力インピ-ダンス特性,無負荷Q,放射効率η,交差偏波成分など)を電波暗室内で精測するとともに当補助金による購入備品(アンテナデ-タ処理専用ワ-クステ-ション及び端末機)を積極的に利活用し、その設計基礎資料を明確化した。
すなわち,
(1)円偏波MSA素子を含めこの種の超小形・超薄型平面アンテナの放射効率,広角軸比,放射パタ-ン,帯域幅及び利得等の基本特性につき解析を行い,その解析結果の妥当性を実験的に検証した。
(2)次いで,本円偏波平面アンテナ素子を試作し,その素子形状と放射特性の関係等を解明し,この種のアンテナ系の設計法を確立した。
(3)さらに、直線偏波素子を含め,この種の超小形,超薄形アンテナに関する総合的設計基礎資料を取得した。
(4)また,この種のアンテナ系を用いるビ-ム成形法,すなわち,目的に応じて所望のビ-ム形状を実現する手法の可能性についても検討を加えた。
(5)上記手順により得られた設計資料を駆使し超小形・超薄型平面アンテナを設計・試作し,且つ,その放射諸特性につき考察を加え、この種のアンテナ系が移動通信用アンテナとして有用な一形式となり得ることを明らかにした。
これからの研究成果を国内外の学会誌,及び複数の国際会議などにおいて精力的に発表を行っている。
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