研究概要 |
本研究では、地震時における鉄道車両の全安性を,ロッキング・脱線・転覆等の極限状態での挙動のみに的を絞り,この現象の挙動およびその発生条件を実験および解析により明らかにした. 1.実験: 車両模型のロッキング・転覆・脱線などの極限挙動を,ビデオ・変位計・加速度計等を用いて測定した.以下に示す条件を変化させ,これらの条件の極限挙動に及ぼす影響,および,極限挙動の発生時の入力に及ぼす影響を明らかにした. (1)振動台の加振振動数・振幅 (2)車両の種類,載荷状態 (3)停止または走行状態,走行速度 (4)入力振動が定常正弦波,非定常な入力 (5)車両のばね,リンク部分の剛性 2.解析: 次の3種類の車体モデルを用い、上記の条件を取り込んで,実験結果との適合性を十分に保つように,ロッキング・脱線・転覆のモデル化を行った. (1)車体と車輪との2つの剛体が剛結された二次元の角柱モデル. (2)車体と車輪との2つの剛体が非線形なばねで連結された二次元のモデル. (3)車体と2つの車輪との3つの剛体が非線体なばねで連結された二次元のモデル. 尚,(1)(2)(3)のモデル共,ロッキング現象等を扱うため有限変位を考慮したものである。実験結果と解析結果との比較を行い,ロッキングおよび転覆の発生条件およびロッキングとヨ-イング挙動の説明を行った.また脱線の発生条件および挙動についても幾つかの知見を得た. 以上得られた実験及び解析結果に基づいて研究成果をまとめた.
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