研究概要 |
1.コンクリ-トの品質管理状態を考慮した安全性評価方法 コンクリ-トの品質を5段階に分け,さらに検査特性曲線により現場で受け入られたコンクリ-トの品質を評価した。これを基に,軸圧縮力に支配されるRC部材断面の破壊確率を求め,さらのその値が10^<ー5>となるような特性安全率を評価する手法を提案した。 2.震源域のひずみエネルギ-蓄積状態を考慮した地震危険度解析 地震の発生における非定常性を考慮するために,わが国に影響を及ぼすと思われる震源域の現在までのひずみの蓄積状態を推定し,それを基にして,最大地震動を推定する手法を提案した。 3.設計用荷重の組み合わせに関する基礎的検討 複数の偶発荷重の組み合わせについては,各荷重の統計的特性さらには耐用期間内における同時発生確率を求めることにより,設計上考慮すベき組み合わせかどうかを判断する必要がある。ここでは,典型的な偶発荷重である地震荷重と風荷重とを対象として,発生頻度,継続時間および荷重強度等の各荷重の特性を統計的に検討し,さらにそれらを基にシミュレ-ションを実行することにより,両荷重の同時発生確率について検討した。 4.RC構造物の安全性に及ぼす人為的過失の影響 RC構造物の設計・施工の際に発生する人為的過失の影響が,設計基礎量の確率変動に比べ,どれほど安全性を損なうかの概念を得ることを目的とした。すなわち,まず,人為的過失の基本的性質を示し,人為的過失の起こり易さは,構造物建造の品質保証水準とある相関関係にあるものと仮定し,RC構造物の安全物の安全性照査に取り入れるための確率モデルを提案した。
|