研究分担者 |
大賀 宏行 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40152061)
三木 千寿 (三木 千壽) 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016645)
長瀧 重義 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016320)
井上 毅 東京工業大学, 工学部, 教務職員 (10184756)
岡本 亨久 東京工業大学, 工学部, 助手 (50093737)
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研究概要 |
土木構造物におけるマクロセル腐食の影響をは握するために,(1)マクロセルによる腐食事例の整理,(2)土中構造物でのマクロセル,および,(3)RC部材におけるマクロセル,の3項目について検討を行った。 (1)については,港湾鋼構造物,RC構造物および合成構造のマクロセル腐食の実態調査を行った。さらに,今後の問題として,大型RC構造物での温度ひびわれ等に関連するもの,あるいは,合成構造物のマクロセル腐食の可能性を示した。 (2)については,長大土中構造物のマクロセルについて,それらに生じるミクロセル電流とマクロセル電流の相対的な影響について実験的な検討を行った。その結果,特別な場合を除いて長大土中構造物の延長方向におけるマクロセル電流はミクロセル電流に比較して小さく、問題となることは少なく,むしろ,横断面内におけるマクロセル電流を考慮する必要があることを示した。 (3)については、(1)ひびわれ,(2)打継目,および,(3)補修,に関するマクロセルについて、混和材の影響を含めて実験的に検討した。この結果を以下にまとめる。 (1)ひびわれのない場合には,混和材は防食上有利に働くが,鉄筋直角方向のひびわれによってひびわれ部に腐食を生じ,さらに鉄筋軸方向ひびわれを生ずると混和材の効果はほとんどなくなること,および、軸方向ひびわれ部がアノ-ド部となることを示した。 (2)打継目あるいはひびわれ部はマクロセルの原因となり,多くの場合アノ-ド部となるが場合によってはカソ-ド部となることを示した。 (3)補修部もマクロセルの原因となりやすく,無補修部に対してはカソ-ドとなることを示した。また,補修部と無補修部との境界部はアナ-ド部となりやすく,この場合の腐食速度の非常に速いことを示した。
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