研究課題/領域番号 |
01550385
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤井 浩一 京都大学, 工学部, 教授 (80025816)
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研究分担者 |
佐野 郁雄 京都大学, 工学部, 助手 (20127088)
青木 一男 京都大学, 工学部, 助手 (20111916)
嘉門 雅史 京都大学, 工学部, 助教授 (40026331)
田村 武 京都大学, 工学部, 助教授 (30026330)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 異方圧密 / 先行せん断ひずみ / K_0圧密 / 振動三軸実験 / 動的変形係数 / 等価減衰比 |
研究概要 |
本研究は、異方圧密期間中に発生する先行せん断ひずみの挙動を調べて、このような応力履歴をもつ粘性土の動的変形・強度特性を究明することにより、現実の地盤の設計パラメ-タの決定に資することを目的としている。実際、K_0圧密を受けた自然地盤に代表される異方圧密粘性土の動的変形係数がひずみ履歴に依存する現象を調べるため、振動三軸実験装置を用いて正規圧密された沖積粘土試料の等方圧密、あるいはK_0圧密試料の動的応答特性を比較した。その結果、以下のようなことがわかった。 (1)等方圧密試料では、振動繰り返し載荷により間隙水圧の蓄積がある。中でも、非排水せん断途中で振動を与えたものではその量は顕著であるが、K_0圧密試料ではひずみも間隙水圧も発生しないまま急速に最大応力に達する。 (2)等方圧密試料では、間隙比に対して正規化した動的変形係数が拘束圧の2/3乗に比例するが、K0圧密試料では、それが拘束圧にほぼ比例して増加しており、泉州沖海底地盤に対して実施されたPS検層の結果と合致している。 (3)等価減衰比に対しては、応力履歴によって大差はないが、等価変形係数は、同一の拘束圧のもとでK_0圧密試料の方が約1.5倍の大きさとなる。以上から、異方圧密中に粘性土が受けるひずみ履歴、特に偏差ひずみの累積が先行効果となり、動的変形係数ならびにその拘束圧の依存性に大きい影響を与えることを示しており、粘性土地盤の動的変形挙動を評価する上でこれが重要な因子となると結論される。したがって、地盤や土構造物の耐震設計や動的安定解析に必要となる土の動的定数を定めるのに、従来のように等方圧密試料に初期応力状態に相当するせん断応力を後から与えて振動繰り返し載荷を行う方法は、現地の土質がもつ異方性の影響を十分再現していないので、採用すべきではないと考えられる。
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