研究課題/領域番号 |
01550388
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・土質工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松井 保 大阪大学, 工学部, 教授 (20029143)
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研究分担者 |
阿部 信晴 大阪大学, 工学部, 助教授 (10093361)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 極限つり合い法 / 斜面安定 / すべり面 / 破壊 / 補強土 / 有限要素法 / 切土斜面 / 設計法 |
研究概要 |
本研究は、補強切土斜面の安定化問題を論ずるものであり、補強機構および斜面の安定特性を理論的手段と二つの現場実験に基づいて検討し、その結果より合理的設計法を提案した。 極限つりあい法による斜面安定設計法の種々の不都合を避けるために、有限要素法によるハイブリッド斜面安定設計法を開発した。本解析法は、有限要素法と極限つりあい法を組み合わせたものであり、破壊すべり面は、せん断強度低減法を用いてひずみの発達を調べることにより決定し、その破壊すべり面に沿う斜面安定の安全率は応力の破壊基準により決定する。ハイブリッド法によって得られた安全率および斜面の破壊パタ-ンはビショップ法のものと非常に近いことが明かにされた。 開発したハイブリッド法の補強切土斜面に対する実設計への適用性を確かめるために、二つ野外実験を行うとともに、実験結果に対する解析的検討も行った。さらに、土と補強材とのひずみを適合させた極限つりあい法による簡便設計法も提案し、実験斜面に適用した。以上の結果から以下の点が明かにされた。 (1)ハイブリッド法による予測補強材軸力と実測値はほぼ一致している。 (2)実際に生じた小規模のすべり面はハイブリッド法による予測結果とほぼ一致している。 (3)予測破壊すべり面は、実測値より得た補強材の最大引張力が現れる点を通り、かつ簡便法によるすべり面とも整合性がある。 (4)ハイブリッド法による安全率は実測軸力値を用いて算定した簡便法による値とほぼ一致している。 以上により、開発したハイブリッド斜面安定設計法が実設計へ十分適用できることが確認できた。また、簡便設計法も適用可能であることが示された。
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