| 研究概要 |
1.波の非線型性を考慮した海浜流の数値モデルに関する研究:(1)山口は2パラメ-タ表示のChappelearのクノイド波理論に対して波速の第1・第2・第3定義を適用するとともに,1パラメ-タ表示および相対波高表示に変換することによって既往のすベてのクノイド波理論が導かれることを解析的に明らかにし,クノイド波理論間の理論的相互関係を確立した。また,Stokes波の4次・5次解やクノイド波の2次・3次解を使用して,水深変化・流れに伴うshoaling・屈析変形解析を行った。(2)有限振副波理論で波特性を評価した波浪変形・海浜流に関する2種類の数値モデルを開発し,種々のモデル地形に対する計算結果の考察や理論解との比較からモデルの挙動と妥当性を確認するとともに,波の非線型性は海浜流に大きく影響することを見出した。伊福は非線型長波方程式の特性曲線法解に基づく波浪変形と地形変化の数値モデルを1次元・2次元の各場合について構築し,モデルが遡上波の特性や潜堤による波浪変形と地形変化を再現することを実験結果との比較から確かめた。2.波の不規則性を考慮した海浜流の数値モデルに関する研究:(1)山口はwave action波数スペクトルの保存則を一般化piecewise ray methodで解く波浪変形モデルを作成し,水深・流れの非定常変化は波浪変形を緩和する方向に作用することを示した。また,回析・反射・砕波の影響を近似的に含む波浪変形モデルを開発し,本モデルが楕円浅瀬上の波浪変形や砕波変形の実験結果を説明することを確かめた。伊福は不規則波を入力とする波浪変形モデルによる計算が中予海岸での観測結果を比較的よく再現することを示した。(2)山口は波浪変形モデルと結合した海浜流の数値モデルを開発し,1次元・2次元モデル地形上に種々の構造物が存在する場合に対する計算から,構造物配置に特有の海浜流分布の形成を明らかにした。
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