研究概要 |
本研究ではまず宇都宮都市圏で行った1週間の活動日誌調査に基づいて個人の交通行動の曜日変動を検討した。その結果1日の発生トリップ数,交通手段構成,平均トリップ長,トリップ発生時間分布について,平日(月〜金)と週末(土,日)の間で有意な差が見られたが,平日5日間では安定しており,曜日間の変動は見られなかった。1日トリップ数をさらに検討すると,1週間のうちトリップが一番多いのが土曜日であり,一番少ないのが日曜日であった。土曜日の車のトリップは朝夕のピ-ク時を除いて平日よりも多い。これによって,土曜日は平日よりも交通混雑がひどく,今後土曜日交通対策についても検討する必要があるものと考えられる。 発生トリップの個人内変動(曜日変動)と個人間変動を比較すると,両者の全変動に占める割合は,1週間ではほとんど等しいが,平日5日間に対しては個人間変動の方が大きかった。1日トリップの変動は私用や買物のような任意のトリップによる所が大きい。私用と買物トリップに対する週の特定の曜日間の交互作用を調べると,私用トリップには交互作用は見られなかったが,買物トリップには見られた。このことはある曜日の買物活動は他の曜日の買物活動に影響を受けていることを意味している。 車は主に通勤トリップに利用されているが,世帯員の中で必ずしも同乗(カ-プ-リング)が多いとは言えない。世帯員どうしでは,土,日曜日小さな子供の送迎に車を利用する場合が多い。世帯内においては,車利用の相互作用は西欧に比べて小さいようである。
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