研究概要 |
最終年度である本年度は、台風の発生により例年と比べて遥かに小規模な渋滞に終った前年度の調査を補完するための交通実態調査を行うと同時に,災害発生時の交通誘導シミュレ-ションとして,名神高速道路上で冬期の大問題となっている雪氷対策実施時の迂回誘導の効果を評価するための交通シミュレ-ションの実施試みた。項目別に具体的な内容を示すと以下のとうりである。 i)フロ-ティング走行を主体とした交通実態調査の実施 名古屋二環の完成を想定して,東名・名神の迂回路としては,名古屋二環〜伊勢〜東名阪〜名阪〜名阪〜西名阪〜近畿の名自動車動を結んで吹田へ至るル-トを想定するとともに,彦根・八日市・栗東の各インタ-チェンジから国道1号・8号を経由して京滋バイパスを利用する迂回誘導を想定した複数のル-トも取り上げた走行調査を行ない旅行時間の計測を行なった。 ii)大渋滞発生時の迂回誘導シミュレ-ションの実施 調査時の下り線の渋滞は天王山トンネルを頭として50km以上にも及んでいた。したがって各迂回誘導実施箇所における天王山トンネル以西へ向う交通を転換対象として10〜30%の迂回率を想定したシミュレ-ションを行なった。結果は、いずれのケ-スにおいても迂回路へ向う交通も考慮した総施行時間からみて,効果的な迂回誘導の実行ができる可能性のあることが確かめられた。 iii)雪氷時におけるチェ-ン規制・梯団誘導等の作業に伴なう渋滞 既存資料に基づいて交通シミュレ-ションを実施し,標記のような各種作業時に発生する渋滞に起因する時間損失は,適切な迂回誘導を実施することによって,その低減が十分に期待されることが確かめられた。 また工亊規制に起因する渋滞についても検討し誘導効果を確かめた。
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