研究課題/領域番号 |
01550430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
蘆立 徳厚 函館工業高等専門学校, 助教授 (70001237)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 路面凍結防止剤 / 活性汚泥 / 馴化 / 河床付着微生物 / スタッドレスタイヤ |
研究概要 |
スタッドレスタイヤの普及にともない、走行条件の悪い道路に凍結防止剤を散布する必要が生じてきた。この凍結防止剤はいずれ、下水道や水域環境に流出するが、下水処理や水中生物に悪影響を与えるのではないかと心配されている。本研究はこの問題について、最も影響を受けると思われる活性汚泥や河床付着微生物に焦点をあてて検討し、以下の知見を得た。 1.電解酸素供給方式の記録呼吸計を用いた実験より、活性汚泥の場合、凍結防止剤の添加濃度の対数値と酸素吸収速度比(凍結防止剤添加試料の値を無添加試料の値で除したもの)に直線的な関係が認められた。 2.無添加試料の酸素吸収量の75%に到達した時点を凍結防止剤に対する活性汚泥の馴化の一応の目安とすると、1、2%の添加ではほとんど馴化に時間を要せず、5%になると2ー3日の馴化期間が必要となり、10%になるとさらにその倍近くの日数を要する。 3.以上の結果は、凍結防止剤の種類によって大きな差異がみられないことから、活性汚泥に対する阻害の本態は外部浸透圧の上昇による細菌細胞の膜障害と考えられる。 4.水温を18°Cから段階的に9°Cまで低下させた後、凍結防止剤を加えたところ、活性汚泥の活性低下は著しく、馴化も短期間では困難であった。 5.実験室内で人工的に増殖させた河床微生物に対する路面凍結防止剤の影響は3%程度から現れるが、河川での濃度レベルがここまで上昇する可能性は低いと考えられるので、むしろ低濃度レベルでの魚介類など大型水中生物への影響を検討する必要があろう。
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