研究課題/領域番号 |
01550455
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
泉 清人 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002860)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 騒音評価 / 交通騒音 / 社会調査 / 複合騒音 / 住民反応 / 社会反応 |
研究概要 |
この研究においては、スウェ-デン・イエテボリ大学医学部環境衛生学科(Ragnar Rylander教授)との共通の研究計画に従つて、自動車騒音および鉄道騒音の住民反応に関する国際共同研究を行い、自動車および鉄道の複合騒音の評価法を確立しようとした。 平成元年度と2年度に室蘭市、登別市、旭川市において社会調査を行った。調査結果について伝統的な回帰分析を行ったが、その成果は限られたものであった。その後、因果分析法の1つであるパス解析を行い、興味ある知見を得た。主たる知見は以下の通りであり。 (1)鉄道と自動車の複合騒音の不快感に対する騒音レベルの寄与は大きく、特に自動車騒音レベルの寄与が大きい。 (2)しかし、不快感は物理的要因のみに影響されるのではなく、非物理的要因の影響もまた大きく、従って、既存の評価モデルのように騒音レベルのみで不快感を適切に予測することは困難である。 (3)複合騒音を構成する個別音源の不快感については「敏感さ」、「自然環境」の効果が大きいが、複合騒音全体についてはについては「地域居住年数」、「地域好感度」、「家族数」が比較的大きな効果を示す。 (4)複合騒音の不快感に対し比較的大きな影響を及ぼす「地域居住年数」については、一般には馴化作用を示すと考えられているが、本研究では、高いレベルの騒音に対しては必ずしも馴化傾向が認められない。 (5)活動妨害の不快感に対する効果が評価された。その結果、睡眠妨害、特に「覚醒」の影響が大きなことが認められた。 (6)パス解析の他の解析手法に対する優位性が明かとなった。パス解析が他の相関分析に比べ優位である最大の理由は、要因の直接効果及び間接効果を特定できる点にある。パス解析は、従来の手法では明らかにされない要因の潜在的影響を解明できる非常に有効な手法であるといえる。
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