研究概要 |
1.市街地へのアプロ-チ・フロ-を把握するため,キャンパス内でカイツ-ンによる風速プロファイルの実測を試みた。南北風というアプロ-チ条件の相違によるプロファイルの差異を明らかにしたかったが,北風の条件が良くなく,充分な結果をうることができなかった。今後も引き続き観測を行う予定である。 2.建物群模型による風洞実験を行い,建物群密度(地区建蔽率と地区容積率)や配列形態,建物形状などが市街地気流ならびに建物風圧係数にどのように影響するかを検討し,以下のような成果が得られた。 (1) 配列形態の影響は,建物軒高以下の気流に大きく,建物軒高以上では風速が一致する高さが存在し,建物軒高の1.5〜3倍である。また,街路の方向性による違いはかなり上空にまで及び,とくに建蔽率の低い場合ならびに建物底辺長の大きい場合には軒高の5〜6倍にも達する。 (2) 同一建蔽率において、建物高さを増すと境界尽厚さおよび粗度係数ZCCoDDはほぼこれに比例して増大する。建物上空の風速分布に及ぼす建物高さの影響も境界尽厚の近くにまでおよぶ。 (3) 同一建蔽率において,建物底辺長さを増すと,建蔽率の底いところでは街路風の発達がみられ,また屋根面積の増加により軒高以上での風速増加が若干みられるが,それらは顕著なものではなく,風速プロファイルは底辺長さによらずおおむね一致する。 (4) 建物群密度(建蔽率)による影響は,建物軒高以下で大きく,また壁面風圧等も著しく異なる。建物軒高以上では風速の違いはそれ程大きくないが,影響を受けなくなる高さはかなりの高さにまで及ぶ。 (5) 各種の建物形状ならびに配列形態の建物群について,風圧係数が一致する基準風速の高さを検討した結果,建物軒高の5倍以上が必要なことが分った。また風圧の諸特性について求めた。
|