研究課題/領域番号 |
01550463
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築計画・都市計画
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野口 孝博 北海道大学, 工学部, 助手 (10113599)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 多雪寒冷地域 / 都市集住様式 / 戸建集住 / 新潟高田 / 札幌 / 住宅地計画 / 雪処理 / 密集型建売住宅 / 集住様式 / 住宅計画 / 高密度型戸建住宅 / 町家 / 雁木 / 高田 / 住宅 / 住様式 / 集住形態 / 高密度居住 |
研究概要 |
北海道(札幌)、東北(横手)、北陸(上越)各地域の住宅形態、住宅集合の形、雪処理システム、および居住様式等について、それぞれ現地における実態調査をもとに検討した。その結果、これらの地域には多雪地として共通した住様式上の特色が見られる一方で、3地域それぞれに独特の住宅形態と集住様式が見られることが明らかになった。特に本研究で中心的位置を占める北陸の新潟県上越市では極めてユニ-クな多雪地型の都市集住体を発達されていること、また北海道札幌市では高密度型戸建住宅という、いわゆる戸建集住様式の萌芽形態が見られるなど、重要な計画上の知見がえられると同時に、多雪地域における将来の集住の在り方を考える上で手掛かりとりなる大きな研究上の成果が得られた。 (1)上越市高田には、数百年の歴史をへて形成されてきた独特の都市集住体(町家群)が見られる。町家は一戸一戸独立した住宅(戸建住宅)なのだが、外見上は連続とて低層集合住宅の体をなし、豪雪に対処している。それらを結ぶ雁木が冬期の重要な交通空間を形成する。こうした集住体を維持するためにユニ-クな集住の規範(ル-ル)が発達している。 (2)札幌の密集型建売住宅は、その集合性や住空間構成(3層型住宅)、雪処理方式の特微からして、雪国の都市型集住様式として大きな可能性をもつ住宅形式と言える。 (3)横手市には、極めて深い庇、玄関アプロ-チ上の覆いなど、住宅のマント空間を発達させた特有の住宅形態が見られる。 (4)このように札幌、横手、上越3都市には、それぞれ独特の雪対策を施した住宅形態、集住様式が発達している。しかしそれらは必ずしもまだ満足のいく状態にはない。時代や社会の変化もある。多雪地に適した住宅・住宅地計画はむしろこれからが本番といえる。居住者も多雪地向きの住宅・住宅地計画に対してきわめて強い要求をもっている。 (5)本研究では将来の多雪地向き都市型集住様式として最後に「高密度型戸建住宅」の提案を行っている。主に都心と郊外の中間帯において市街地のコンパクト化に寄与する住宅形式として大きな可能性をもつ。
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