研究課題/領域番号 |
01550503
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶谷 剛 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80134039)
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研究分担者 |
平賀 〓二 (平賀 賢二) 東北大学金属材料研究所, 教授 (30005912)
平林 真 いわき明星大学, 理工学部物性学科, 教授 (00005836)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 中性子回折 / 比熱測定 / ニオブ重水素化物 / タンタル重水素化物 / 応力 / ひずみ / マイクロドメイン / 散漫散乱 / 中性子回析 / アルファ相 / Neutrou Diffraction / Metal Hydride / Metal Deuteride / Site Occupancy / Therwal Analysis / AC Thernal Analysis |
研究概要 |
本研究は中性子回折測定と熱測定の双方の手段をもちいて、主としてVa族金属、V,Nb及びTa、の(重)水素化物のα相に於ける(重)水素の配列状態とその応力による変化を調べようとするものである。 第1年度に於いては、αーNbD_<0.2>単結晶の[001]方向ないしは[111]方向から弾性限度以内の圧縮ないしは引っ張り応力を加えて中性子回折実験を行い、結晶構造解析を実行して重水素の分布状態を調べ無応力の状態と比較した。 その結果、αーNdD_<0.2>に於いても以前に研究して公表したαーVD_<0.3>における重水素の分布状態の変化と同じような変化が観測された。 この分布状態の変化は重水素の短範囲拡散を伴うものであり、エントロピ-の変化を伴う筈である。 この点を確認するために弾性限以内の繰り返し応力を試料に加え応力印加に伴って相転移が起きないと仮定した場合の温度変化量よりも大きな温度変化が起きるかどうかをロックインアンプを用いて測定し、この仮説の正しい事を確認し結果を公表した。 第2年度では、特に無応力状態に於けるα相内の重水素の分布状態に注目して中性子回折実験を行った。 無応力状態に於いてVa族金属中の重水素は従来、格子間ガスと呼ばれるような自由な状態にあり、主として四面体格子間位置を次々に移動していると考えられてきた。この自由な状態が応力の印加によって多少変化するという第1年度ないしはそれ以前に得た描像がはたしてどの程度正しいものかを中性子散漫散乱測定によって研究した。 主にαーTaD_<0.55>を用いて研究したが、基本格子反射近傍の非対称的でしかも温度変化する散漫散乱強度分布と低温相では超格子反射が現れる波数近傍での散漫散乱とを同時に矛盾無く解釈するにはα相の中に低温相とほぼ同じ規則配列をもった直径1OA程度の6種類(各主軸方向に2種類ずつの規則配列が可能である)のマイクロドメインが均一に分布していることが結論された。 この事によって応力の印加に伴う重水素の分布状態の変化とは微視的にはα相の中に存在するマイクロドメインの分布に片寄りが現れる事と対応しているものと考えられる。αーTaD_<0.55>の単結晶を用いて測定したdiffuse scatteringに関する研究の成果は論文として公表した。
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