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硫化物系フラックスによる屑鉄中トランプエレメント除去に関する熱力学的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 01550515
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 金属製錬・金属化学
研究機関東北大学

研究代表者

長坂 徹也  東北大学, 工学部, 助手 (30180467)

研究分担者 萬谷 志郎  東北大学, 工学部, 教授 (90005223)
研究期間 (年度) 1989 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードトランプエレメント / 鉄スクラップ / リサイクル / 製鋼 / 硫化物 / フラックス / 分配 / 熱力学 / 鉄リサイクリング / 脱銅 / 分配平衡 / 溶液モデル
研究概要

昨年度では、本研究の主目的である硫化物フラックスによる溶鉄からの脱Cuについての実験を予定通り終了した。最年度である平成2年度では、Cuと同様の有害元本であるSn、Sb及び有価元素であるNi、Cr、Mn、MoのFesーNa_2Sフラックスー炭素飽和溶鉄間における分配挙動を調べた。また、熱力学的考察の際に基礎となる、炭素飽溶鉄中のSn、Sbの活量を実測した。平成2年度の研究結果を要約すると以下のようである。1)FeSーNa_2Sフラックスと炭素飽和溶鉄間のSn、Sb、Ni、Cb、Ni、Mn及びMoの平衡分配比を1673Kで測定した。FeSー溶鉄間のSn、Sbの分配比はそれぞれ1.2、1.6であり、FeS へのNa_2Sの添加によってこれらの分配比は低下した。すなわち、硫化物フラックス処理法による溶鉄の脱Sn、脱Sbは期待できないことが明らかになった。また、Ni、Cr、Moの分配比はいずれも小さく、本法によるこれら合金素のロスは問題にならない。これに対してMn分配は400以上と非常に大きく、溶鉄からのMnロスは避けられないことがわかった、2)炭素飽和溶融FeーS合金中のSn及びSbの活量を用いた分配平衡法によって実測し、これらの活量係数を溶鉄組成と温度の関数として表わした、得られた知見を用いて、先に測定したフラックスー溶鉄間のSn、Sbの分配挙動を熱力学的に考察した。また、Snの活量値より溶鉄の平衡SnS分圧を計算し、溶鉄中のSnをSnSガスの形で揮発除去できる可能性が高いことを定量的に示した。
本研究結果を総括し、硫化反応による溶鉄からのトランプエレメント除去の可能性について熱力学的に検討した。その結果、硫化物フラックスによる溶鉄の脱Cu可能であるとの結論を得たが、その脱銅効率は実用上十分高いとは言えない。また、SnはSnSとした工業的に除去できる可能性があるが、本法による脱Sbは困難である。従って、今後もより効率的なこれら不純物除去法の開発研究を継続していくことが必要である。

報告書

(3件)
  • 1990 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 王潮: "FeーSーC3元系融体の相平衡" 鉄と鋼 ((社)日本鉄鋼協会会誌). 77. 353-360 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 王潮: "FeSーNa_2Sフラックスと炭素和溶鉄間の銅の分配平衡" 鉄と鋼. 77. 504-511 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 王潮: "FeSフラックト炭素飽和溶鉄間の銅分配に及ぼすアルカリ土類金属流化物添加の影響" 鉄と鋼. 77. (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 王潮: "炭素飽和溶鉄融FeーS合金中のSn及びSbの活量測定" 材料とプロセス. 4. 16 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Chao WANG et al.: "Phase Equilibria of Fe-S-C Ternary Melts" Tetsu-to-Hagane. vol. 77, No. 3. 353-360 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Chao WANG et al.: "Copper Distribution between FeS-Na_2S Flux and Carbon Saturated Liquid Iron" Tetsu-to-Hagane. vol. 77, No. 4. 504-511 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Chao WANG et al.: "Effect of Alkaline and Alkaline Earth Metal Sulfide Addition on the Copper Distribution between FeS Flux and Carbon Saturated Liquid Iron" Tetsu-to-Hagane,. vol. 77, No. 5. (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Chao WANG et al.: "Measurement of the Activities of Sn and Sb in Carbon Saturated Liquid Fe-S Alloy" Tetsu-to-Hagane,.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 王 潮: "FeーSーC3元系融体の相平衡" 鉄と鋼 ((社)日本鉄鋼協会会誌). 77. 353-360 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 王 潮: "FeSーNa_2系フラックスと炭素飽和溶鉄間の銅の分配平衡" 鉄と鋼. 77. 504-511 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 王 潮: "FeSフラックスと炭素飽和溶鉄間の銅分配に及ぼすアルカリ及びアルカリ土類金属硫化物添加の影響" 鉄と鋼. 77. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 王 潮: "炭素飽和溶融FeーS合金中のSn及びSbの活量測定" 材料とプロセス. 4. 16 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 王潮: "FeS系融体による鉄スクラップの脱銅に関する熱力学的研究" 材料とプロセス. 2. 146 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 王潮: "Fe-S-C三元系融体の相平衡" 材料とプロセス. 2. 1239 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 王潮: "溶融FeS-炭素飽和溶鉄間の銅分配に及ぼすアルカリ、またはアルカリ土類金属硫化物添加の影響" 材料とプロセス. 2. 1241 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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