研究課題/領域番号 |
01550535
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
香川 明男 長崎大学, 工学部, 助教授 (00093401)
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研究分担者 |
馬場 恒明 長崎県工業技術センター, 研究員
坂本 芳一 長崎大学, 工学部, 教授 (50026019)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ガス欠陥 / 計算機シミュレ-ション / 平衡分配係数 / 凝固解析 / ガス溶解度 / 引け巣 |
研究概要 |
1.通常の酸素含有量の溶湯(100ppm以下)の場合には、溶鉄の酸素溶解度はかなり高く、また溶鉄中にSiO_2が生成して溶解酸素量は急減するため、オ-ステナイトの晶出時にはCOガス気泡の生成は起こり得ないが、共晶凝固時には、酸素は共晶融液に濃縮し、溶鉄中の酸素溶解度も小さくなるため、COガス圧も1atmを越える場合が生じCOガス気泡が生成し得る。窒素や水素が溶解度近くまで含まれる場合には初晶オ-ステイトの晶出時に窒素および水素によるガス気泡を生成する危険性があり、このような危険性は低炭素、高けい素の合金ほど高くなる。 2.Al、Ti、Vなどは酸化物の形成により、溶湯中の溶存酸素量を大きく低下させ、共晶凝固においてもCOガス気泡の生成を起こり難くする。温度の低下とともに、TiやVを含む場合には、ひき続いて炭化物、窒化物の順に生成する。窒化物の形成により溶存窒素量を低下させるためには、溶湯中の酸素、炭素濃度を考慮する必要がある。 3.窒素雰囲気下で凝固させた片状および共晶黒鉛組織の試料には明瞭な引け巣、気孔は見られなかったが、チルを含む試料では窒素による気孔が見られた。湿潤空気中で凝固させた試料においては、最終凝固部の片状黒鉛に連なって円みを帯びた主に水素に因る気孔が多数みられ、気孔の外周部は黒鉛で囲まれた組織がみられた。 4.0.8atmN2と0.6atmH2(湿度60%)の雰囲気下でのFe-C-Si合金の凝固解析を2次元回転体モデルを使って計算した結果、鋳物の各部に微小気泡の形成が予測され、最終凝固部に引け巣が形成される場合には大きな気泡形成が予測された。実際の試料には微小気孔の形成の有無は不明瞭であったが引け巣部の大きなガス気孔はシミュレ-ション結果と一致し、計算機シミュレ-ションによるガス欠陥の形成の予測が可能であることが知られた。
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