研究課題/領域番号 |
01550546
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北川 和夫 金沢大学, 工学部, 助教授 (30019757)
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研究分担者 |
北 和久 金沢大学, 工学部, 助手 (10195240)
門前 亮一 金沢大学, 工学部, 助教授 (20166466)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 対応粒界 / Σ3 / 双晶境界 / FEM(有限要素法) / 銅双結晶 / 応力集中 / 変形促進 / 変形拘束 |
研究概要 |
上記の問題についてΣ3対応粒界(双晶境界)を有する銅双結晶のFEM(有限要素法)による微視的応力解析と引張り試験を行ない、以下の結論を得た。 1)FEMによる応力解析から、変形軸と粒界との幾何学的関係が粒界の応力集中に強くかかわっていることが明らかになった。すなわち、変形軸と粒界の法線となす角が45°のときを最大として、その角度より大きくても小さくても粒界に生じる付加的応力は減少し、0°と90°のときは粒界においていかなる付加的応力も生じない。 2)粒界の法線と引張り軸が45°のとき、粒界において主すべり系の分解せん断応力が非常に高くなることが明らかになった。この計算結果は粒界がそこでのすべり変形を促進させる要因になる可能性があることを示唆している。 3)Σ3対応粒界(双晶境界)を有する銅双結晶の引張り試験によって、粒界は変形促進的にも変形拘束的にも作用することが明らかになった。すなわち、引張り軸と粒界の法線とのなす角が平行であるときは粒界の影響はほとんどない。一方、45°のときは変形促進的に作用し、60°のときは変形拘束的に作用する。この実験結果は計算結果によって定性的に説明された。以上、FEMによる計算結果と銅双結晶を使った実験結果から、Σ3対応粒界(双晶境界)の力学的挙動は、変形軸と粒界との幾何学的関係に強く依存することが明らかとなった。従って、一般の粒界と同様に、多結晶金属の変形挙動に重大な影響を及ぼすものと推察される。本研究によって、Σ3対応粒界は疲労亀裂発生の重要なサイトになることが推定されたので、今後の課題としては繰り返し変形したときの微視的挙動について検討する予定である。
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