研究課題/領域番号 |
01550557
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
荻野 喜清 姫路工業大学, 工学部, 教授 (10047574)
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研究分担者 |
山崎 徹 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30137252)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | FeーBーPーSi / 非晶質合金 / 水素脆化 / 延性ー脆性遷移温度 / 電気抵抗 / メスバウア-効果 / 放射光小角散乱 / FeーBーPーSi合金 / 延性脆性遷移温度 / 鉄ーボロンーシリコン合金 / 鉄ーリンーシリコン合金 / メスバウァ-効果 / 鉄糸合金 / 延性-脆性遷移温度 |
研究概要 |
主として、鉄基非晶質合金の水素脆化感受性に及ぼすB,Pの影響を水素吸収によるDBTTおよび電気抵抗の測定から調べた。また、メスバウア-効果および放射光小角散乱の測定により水素吸収による非晶質構造の変化を調べた。その結果をまとめると次の通りである。 (1)Fe_<78>(B_<1ーx>P_x)_<15>Si_7非晶質合金(x=0〜1.0)において、Bは水素脆化を高めるのに対し、Pは水素脆化感受性を低下させることが明らかとなった。すなわち、B含有量が増加すると僅かな水素の吸収によりDBTTは大きく上昇するが、P含有量が増すとDBTTの上昇は小さくなる。 (2)水素吸収した合金の電気抵抗,Xスバウア-効果およびDSC測定の結果から、非晶質合金中の水素の存在状態はDBTT付近を境に変化すると考えられた。DBTT以下においては、水素はBやP原子と水素化物に近い状態で結合することにより脆化を生ぜしめる。DBTT以上では、BーHやPーH結合は解離し、脆化の回復が生ずる。 (3)P含有量の増加による水素脆化感受性の低下はPーH原子間の親和力がBーH原子間の親和力に比べて少さく、PーH結合はBーH結合に比べて生じ難いためと推定された。 (4)Fe_<78>B_<15>Si_7およびFe_<78>P_<15>Si_7非晶質合金に電解水素チャ-ジを施すと、その直後においては小角散乱強度に変化は認められなかった。したがって、これら合金においては水素チャ-ジ中に小角X線散乱法によって検出されるようなボイド等の欠陥は形成されていないことが明らかである。また、これら合金を室温で保持もしくは加熱すると、小角散乱強度は増加するが、その増加の程度はFe_<78>B_<15>Si_7合金の方が、Fe_<78>P_<15>Si_7合金に比較して非常に大きい。したがって、Fe_<78>P_<15>Si_7合金の方が水素の影響に対して、構造的に安定であることが明らかである。
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