研究課題/領域番号 |
01550570
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺前 紀夫 東京大学, 工学部, 講師 (70114569)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レ-ザ-蛍光法 / ATR法 / 深さ方向分析 / 配向解析 / 蛍光色素 / LB膜 / 有機薄膜 |
研究概要 |
レ-ザ-蛍光法が高感度であることはよく知られている。また、ATR(全反射)法で入射角やATR結晶の屈折率によって深さ方向分析が可能であることも、特に赤外領域で知られている。本研究では、両者の単なる組合せではなく、ATRを用いた新しい計測法を開発し、材料の深さ方向分析に応用することを目的として研究を行った。 レ-ザ-蛍光ATR法の測定系は以下のように構成した。Arイオンレ-ザ-(15mW)からの励起光(457.9nm)をチョッパ-で変調(846Hz)し、試料に入射した。試料は半円柱状のLaSF15結晶に密着させ、回転ステ-ジにより入射角と観測角を変化させた。蛍光はモノクロメ-タで分光し、光電子増倍管により検出した。試料としてはPVC薄膜に吸着させた色素、ATR結晶上に直接累積したLB膜を作製し用いた。 PVC薄膜にロ-ダミンBを吸着させたものを試料とし、入射角及び観測角による蛍光強度の変化を測定した結果、信号強度は臨海付近で最大となることが観測され、理論計算結果とも一致した。従来のATR法では臨海角よりも大きな角度で光を入射する配置がとられていたが、本法では垂直入射条件下でも観測角を変化させることにより試料の深さ方向分析が可能であることが分かった。また、色素吸着量と信号強度の関係については、両対数プロットで10^<-10>Mから10^<-7>Mまでの広い濃度範囲にわたって直線関係が得られ、定量分析にも応用可能であることが分かった。ロ-ダミン6G誘導体LB試薬とアラキン酸Cdを用いて、ATR結晶上に蛍光色素が濃度分布を持つ薄膜を形成させ、深さ方向分析について検討した。その結果、蛍光の偏光特性については、垂直偏光と水平偏光とで差異が観測され、観測角による信号強度変化も理論計算の傾向と一致した。以上より、本方法により深さ方向分析と配向解析とが行なえることが明らかとなった。
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