研究課題/領域番号 |
01550580
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
城 昭典 熊本大学, 工学部, 助教授 (40038047)
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研究分担者 |
小出 善文 熊本大学, 工学部, 講師 (40040430)
日高 洋 熊本大学, 工学部, 助手 (10208770)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 陰イオンキャリヤ- / イオン電極 / 大環状ポリアミン / 液膜 / 膜電位 / 反応速度 / イオン選択性電極 |
研究概要 |
特定の陰イオンとの特異的相互作用を通して当該陰イオンの脂質膜透過性を向上させる陰イオンキャリヤ-は分析化学のみならず生化学的観点からも極めて興味深い。本研究ではこの陰イオンキャリヤ-を用いる優秀なイオン電極開発の指針の確立を目的として、以下の成果を得た。 1.陰イオンキャリヤ-と特定陰イオンとの強い相互作用は、電気的中性種を増大させその結果として膜インピ-ダンスを増加させることとなる。このため陰イオンキャリヤ-型電極は膜媒体のブランク応答の影響を受け易い問題を有する。この問題はキャリヤ-との相互作用の弱い疎水性イオン対を膜に添加して膜の伝導度を高くすることにより解決可能とすることを明らにした。 2.単結晶構造解析による分子構造決定さらには伝導度、二相分配平衝などの検討を通して、4個の窒素原子を有する大環状配位子のコバルト(III)錯体、(V)錯体などが陰イオンキャリヤ-として機能する条件を究明した。中心金属が特定陰イオンと迅速な相互作用をするためにはsp^2窒素原子が必要不可欠であることなどを明らかにした。 3.陰イオンキャリヤ-においては、膜電位的選択制と二相分配平衡の選択性との間には単純な対応関係がなく、錯体の陰イオンとの錯形成能は膜電位的選択性よりは二相分配平衡の選択性に強く反映されていることが明らになった。 4.陰イオンキャリヤ-型電極の選択性と膜系の物理化学的諸性質との関係を示す膜電位理論を完成した。この理論は上記(3)の実験結果を半定量的に説明する。
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