研究概要 |
1.ZrTiO_4ーHfTiO_4系固溶体の誘電性 上記の固溶体の円盤状焼結体について1300℃に再加熱後大気中で急冷する(急冷試料),および1200℃に再加熱後900℃まで徐冷する(徐冷試料)の2種の熱処理を行い,それらの誘電特性(1KHzおよびGHzの比誘電率(εr),静電容量温度係数(TCC),誘電損失係数(tanδ),共振周波数温度係数(τf)を測定した。その結果つぎの事項が明らかになった。(a)急冷試料のεrはHrの固溶量とともにほぼ直線的に減少する。(b)徐冷試料のεrは上記aとは明らかに異なりZr0.75Hf0.25TiO_4付近で最大値をとった。(c)TCCの組成変化についても上記a,bと類形した関係が存在する。 2.ZrTiO_4ーSnO_2系固溶体の誘電性 本系について上記の1.に類似した研究を行った。その結果,物性と組成との間に上記のa,b,cと絶対値は異なるが類似した関係が見られた。この結果は作業仮説による推定と整合し,相転移と熱膨張に加えて誘電性についても仮説を適用できる可能性を示し,新しいマイクロ波誘電体の材質設計に成功した。 3.作業仮説の検証ならびに低熱膨張材料の設計 ZrTiO_4ーIn_2O_3ーSb_2O_5およびZrTiO_4ーIn_2O_3ーTa_2O_5置換固溶系の相転移と熱膨張につき研究した。その結果,ZrTi_<0.2>In_<0.4>O_4やZrTi_<0.1>In_<0.45>Ta_<0.45>O_4にHfTiO_4より明らかに低熱膨張の固溶体を発現し,仮説の予想と整合する結果を得た。
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