研究課題/領域番号 |
01550605
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊藤 滋 東京理科大学, 理工学部・工業化学科, 講師 (10120164)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | β-フェライト / β″-フェライト / β-アルミナ / 超イオン伝導体 / 混合導電性 / 混合アルカリ効果 / 結晶構造解析 / 湿度センサ- |
研究概要 |
K^+-β-、β″-フェライトの単結晶をB_2O_3-KF-Fe_2O_3系フラックスを用いて合成した。また、単一相のK^+-β″-フェライト粉体をK_2CO_3:Fe_3O_4=1:3混合物を950℃で1時間加熱することにより合成した。これらのK^+-β-、β″-フェライトを1価、2価イオンM(Na^+、Rb^+、Cs^+、Ag^+、Tl^+、NH_4^+、H_3O^+、Ba^<2+>)を含む溶融塩(硝酸塩など)に6〜24時間浸漬し、アルカリ層内のK^+イオンとイオン交換することにより、各種M-β-、β″フェライト単結晶、粉体を合成することができた。得られた種々のβ-フェライト系化合物についてDTA、TGによる熱的安定性の測定を行なった。その結果、これらの化合物の熱分解温度が、アルカリ層内のM^+イオンの種類に大きく依存していることがわかった。さらに、M^+-β-、β″-フェライトの電気導電率を単結晶の形ではじめて測定することができた。すなわち、これらの化合物はM^+イオンのイオン導電性と電子導電性を合わせもつ混合導電体であり、特に、イオン導電性については他の超イオン導電体の値に比べて非常に高い特性を示した。また、アルカリ層内にK^+とM^+の2種のイオンを含むβ-、β″-フェライトはイオン伝導の混合アルカリ効果を示すことが見いだされた。この原因をK^+とM^+の△G^<ex>を計算することにより考察した。次に、K^+-β-、β″-フェライトのX線結晶構造解析を行ない、K^+イオンの不安定性にともなう電荷の補償機構やK^+イオンの分布などについて検討した。K^+-β-フェライト中の過剰のK^+の電荷の補償については過剰量が0.3K^+(Fell原子当り)まではFe^<2+>の存在により補償され、0.3K^+以上ではFe^<3+>の空孔による機構が加わると考えられた。次いで、各種M^+-β-フェライト焼結体の湿度センサ-への応用について検討し、感湿特性がM^+イオンの種類により経んかすることを見いだした。さらに、素子を薄膜化することにより、応答時間を10秒程度にまで、著しく改善することに成功した。
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