研究概要 |
1. フラン,チオフエン,Nーメチルピロ-ルのモノ(2位),ジ(2,5位)カルボン酸を合成し、四フッ化硫黄でフッ素化を行った。モノカルボン酸では,すベての複素環で開環重合がおこり,樹脂状物を与えたのみであった。ジカルボン酸では、フラン,チオフエンの場合に5ートリフルオロメチルーフラン/チオフエンー2ーカルボン酸と2,5ービス(トリフルオロメチル)フラン/チオフエンを生成した。前者をキノリン中,銅粉の存在下,加熱して脱炭酸し2ートリフルオロメチルフラン/チオフエンを得た。Nーメチルピロ-ルの場合は樹脂状物が主であった。 2. トリフルオロメチル基を1ケまたは2ケ含むフランおよびチオフエンをnーブチル リチウムでリチオ体として後,1,1ージクロロー2,ージフルオロエチレンと反応させ1ーフルオロー2,2ージクロロビニル基をもつフランおよびチオフエンを得た。これらはさらにnーブチル リチウムと反応させ,ハロビニル基をエチニル基に転換させた。 3. トリフルオロメチル基を含むいくつかのフランおよびチオフエン置換アセチレンについて六塩化タングステンーテトラフエニルスズ系などの触媒を用いて重合を行い,対応するポリアセチレンを得た。重合を試みたアセチレンの中で,2,5ービス(トリフルオロメチル)ー3ーエチニルフランおよびチオフエンがもっとも重合性の良いことが分った。これらのポリアセチレンは通常の有機溶媒には不溶だが,Pービス(トリフルオロメチル)ベンゼンのようなフッ素系溶媒には可溶であり,キヤスト法により薄膜をつくって気体透過性についても調べた。
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