研究課題/領域番号 |
01550652
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
細川 隆弘 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90029520)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 未端オレフィン / パラジウム錯体 / 分子状酸素 / アリルアミド / アリルラクタム / キ-レト配位 / Nーアリルラクタム / アルデヒド体 / 末端オレフィン / Nーアリルアセトアミド / Wacker法 |
研究概要 |
本研究では、金属錯体触媒と分子状酸素を用い未端オレフィンの未端位を位置選択的に酸化し、アルデヒド体を合成する新しい反応の開発を目的とした。特に、オレフィン基質のアリル位に置換基を導入し、金属錯体触媒とのキレ-ト制御能を活用する手法をここでは用いた。その結果、PdCl_2(MeCN)_2ーCuCl触媒存在下、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)を添加した非プロトン性溶媒中、アリル位にアミド基を持つ未端オレフィンは分子状酸素によりオレフィン未端位が位置選択的に酸化され対応するアルヒデド1を与えることを見い出した(下式)。水を求核剤に用いる通常のWacker酸化反応では、上の結果と対照的にオレフィンの2位の炭素が酸化されメチルケトン体2が得られる。Nーアリルラクタム系化合物を用いても同様の結果となる。員環数の異なるNーアリルラクタムと分子状酸素との反応解析より、この酸化反応の位置選択性はPdへのアミドカルボニル基とオレフィンとのキ-レト配位で決定されることも明らかとなった。 これまでに知られている酸素酸化反応では、アリルアミドの未端オレフィン炭素を選択的に酸化する例はなく本研究で開発した反応は、原理的にも新しい酸化反応と言える。 本研究で開発した触媒系を用い直鎖状オレフィン、例えば1ーデセンに分子状酸素を反応させると主としてメチルケトン体が得られアルデヒド体の生成率を向上させるには到らなかった。直鎖状オレフィンからアルデヒド体を選択的に得る方法の開発は今後の課題として残された。
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