研究課題/領域番号 |
01550678
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
板原 俊夫 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (40112429)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ヌクレオシド / 酸化 / フリ-ラジカル / カチオンラジカル / チミジングリコ-ル / 過酸化ベンゾイル / ペルオキソニ硫酸塩 / ペルオキソ-硫酸塩 |
研究概要 |
1.酢酸中ウラシル類と過酸化ベンゾイルを加熱するとウラシル類の5位へのカルボキシメチル化のおこることが見い出されました。例えばウラシルからは天然の微少塩基の一つ5-カルボキシメチルウラシルが一段階で合成できます。これらの反応生成物は設備備品として購入いたしました紫外可視分光光度計などからのデ-タの解析により構造を明らかにしました。なおこの反応はJ.Chem.Soc.Perkin Communicationsに印刷中です。 2.エステル、ラクトン、シクロアルカン、アセトニトリル等の溶媒中ウラシル類やプリン類(6-ベンゾイルアデニン、カフェイン等)とジアシルパ-オキシドの溶液を加熱するとウラシル類の5位、プリン類の8位に溶媒から水素のとれたアルキルラジカルが置換することが見い出されました。この反応生成物も紫外可視分光光度(設備備品)などからのデ-タを基に構造決定いたしました。 3.チミジン、α+チミジン、3'-デオキシチミジン、5'-デオキシチミジン、5-メチルデオキシシチジンはpH7のリン酸緩衝液中ペルオキソニ硫酸塩で酸化すると選択的に5位のメチル基が酸化され5-ヒドロキシメチルデオキシウリジン類等がえられました。この反応は中間にチミンヤシトシンのカチオンラジカルをへて反応がおこると考えられ、又人の尿から多量の5-ヒドロキシメチルウラシルが検出されることから、DNAの酸化的障害の機構と関連して興味がもたれます。2'位が水酸基のリボチミジンや5-メチルシチジンでは5位のメチル基の酸化とヌクレオシドからの塩基の遊離が同じ程度におこりました。 4.チミジンはpH7のリン酸緩衝液中ペルオキソ-硫酸塩で酸化するとチミジングリコ-ル類(5.6-ジヒドロキシ-5.6-ジチヒドチミジン)が収率良く生成しました。2'-デオキシシチジンからは5-ヒドロキシ-2'-デオキシシチジンと構造末決定の生成物2種が得られました。
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