研究課題/領域番号 |
01550692
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 紳三郎 京都大学, 工学部, 助手 (50127049)
|
研究分担者 |
大岡 正孝 京都大学, 工学部, 教務職員 (10160425)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 単分子膜 / ラングミュア-ブロジェット法(LB法) / 高分子 / アモルファス / 層構造 / 分子配向 / 蛍光法 / 励起エネルギ-移動 / ランケミュア-ブロジェット法(LB法) / 高分子単分子膜 / 累積膜 / 光物理過程 / エネルギ-移動 / 蛍光偏光解析 / エキシマ-形成 |
研究概要 |
本研究では、LB法を用いることにより高分子単分子膜をnmオ-ダ-で積層、多層化して高次構造の規制された高分子超薄膜を作成した。その構造評価に蛍光法を応用し、高分子累積膜における内部構造、分子分散性、高分子鎖の配向性などを調べた。さらに高次構造の規制された高分子場で起こる光物理過程の基本的な特質について励起エネルギ-移動、光電子移動現象を通して明らかにした。具体的に行った項目は以下の通りである。 1.累積性高分子の探索と光機能化:単分子層膜として累積可能な高分子を探索し、これらの中から系統的に分子構造を修飾できるPVA系、MMA系高分子を研究対象とした。合成ならびにその蛍光ラベル化を行い、分子構造変化による物性値と累積性を調べ本研究の基礎デ-タを得た。 2.蛍光ラベルによる分子分散状態の研究:LB膜でよく見られる色素会合は分子凝集性を利用した膜形成には避け難い性質であるが、高分子累積膜の場合には低分子LB膜とはまったく異なった均一分散性が示された。ピレンを蛍光プロ-ブとしてラベルし、この分散性をエキシマ-形成能により定量的に明らかにした。 3.高分子累積膜における層構造、ならびにその安定性評価:高分子累積膜の特徴の一つは構造安定性にある。作成した累積膜の層構造を蛍光法により確認するとともに、その熱的、時間的安定性を明示した。 4.蛍光法による高分子鎖の配向性評価:単分子層膜という微小な領域における構造評価には極めて高感度な測定手段が要求される。蛍光法が高感度かつ偏光性を利用すれば分子配向性を知る有力な手法であることを示すとともに、蛍光ラベル化された高分子累積膜での異方性配向を明らかにした。 5.光物理過程の特性解析:光励起エネルギ-移動、光誘起電子移動過程を高分子累積膜中で行った。人為的な構造により各プロセスを制御でき、さらに効率よい移動が可能になることが示された。
|